2015年09月13日
車中で死なない為に
今回の大雨被害では、クルマに乗車中の犠牲者が出てしまいました。大雨の際にはたいていのドライバーは窓を全閉にするはず。おまけに最近の車はパワーウィンドウの普及がすすんでおり、浸水対策をしていない旧型車の場合は、屋根をオープンに(しかも手動で)できるロードスターならいざ知らず、水没すると完全に逃げ場を失ってしまう危険性があります。
そもそも、タイアが水没するくらいまで浸水すると乗用車のドアは簡単に押し開くことはできません。数百キロの重さで外側から水圧がかかってくるので、これを力づくで押し開こうとしてもまず無理。体力を消耗してしまうので、無駄な努力は避けてください。旧式のくるくる回す窓「ウィンドウレギュレーターハンドル」の車なら窓から脱出できるとして、そうでない場合。ハッチバック車なら、バックドアオープナーの操作ノブを思い出してください。大抵は運転席右下の床にレバーが生えています。ワイヤー操作なのでリアゲ―トのロックを解除できるはずです。普通のクルマは重たいエンジンが先に沈むので、バックドア周りは水面上に出ている可能性が高いのです。
パワーウィンドウで浸水対策もされておらず、バックドアを開ける術もなかったら…残念ながら、完全に水没するのを待ってドアを開けるか、ガラスをたたき割るより方法が見つかりません。が、内側から車のガラスをたたき割るのは至難の業、練習も滅多にできません。車内の空気が完全に抜けて内外の水圧の差がなくなればドアは開きますが、それまで息ができるかどうかのほうが問題です。
一刻も早く、救助を求めるか、車内にいることの意思表示をする必要があります。