2013年12月16日
発表!2013航空10大ニュース
今年も「航空10大ニュース」発表の時期となりました。
今年も航空ジャーナリスト協会理事としての立場から
独断と偏見で選んだ国内を中心とした「航空10大ニュース」
を発表します。
今年は「流行語大賞」と同様に、航空界でも多くの
出来事があり、どれを選ぶか迷ってしまうほどでした。
そんな中から選らんだ「2013航空10大ニュース」は
① 日本航空がエアバス機を大量発注
② 全日空が客室乗務員を全て正社員化に
③ ボーイング787の相次ぐバッテリートラブル
④ MRJの初飛行が15年春にずれ込む
⑤ 羽田国際便増枠で全日空11、日航5
⑥ オスプレイの配備反対運動広がる
⑦ 政府専用機の機種変更検討に着手
⑧ 新生バニラ・エア誕生
⑨ 「風立ちぬ」、「永遠の0」のヒットで空前の零戦ブーム
⑩ 羽田の工事現場から旧日本軍機の残骸見つかる
となりました。
1位は日本航空のエアバス機大量発注となりました。
これまでボーイング系が中心だった日本航空が、エアバス機
を導入することは方針の一大変換であり、航空産業界にも
様々な影響を与えるエポックメーキングな出来事です。
2位は全日空の客室乗務員の正社員化です。
これまで人件費の削減を理由に契約社員を多く採用してきた
方針を転換し、客室乗務員のほとんどを正社員化とすることで
多くの客室乗務員に希望を与え、客室乗務員を目指す若者に
夢を与えた功績は大きいと思います。
3位はボーイング787の相次ぐバッテリートラブルです。
今年1月に国内で発生した787のバッテリートラブルは、
世界的な広がりを見せ、新鋭機につきものの初期トラブル
のリスクを改めて思い知らされまいた。
4位はMRJの初飛行15年春にずれ込むです。
三菱航空機が開発中の国産初のジェット旅客機、三菱MRJ
の相次ぐ初飛行延期で、改めて旅客機開発の難しさが浮き彫り
となりました。
遅延は搭載エンジンの供給遅れが主な原因ですが、部品の
品質管理や各種の書類審査の手続き上の問題も理由のようです。
5位は羽田国際便増枠で全日空11、日航5です。
日本航空はこの決定を不服として、速やかに是正するよう政府に
求めました。
公的支援で急速な再建を果たした日本航空との収益の格差拡大
を理由に優先的な配分を求めてきた全日空に配慮した形ですが、
政治的な背景も見え隠れします。
6位はオスプレイの配備反対運動広がるです。
飛行機とヘリコプターそれぞれの長所を取り入れた新しいカテゴリー
の航空機ボーイングMV-22オスプレイに貼られた危険な航空機
のレッテル、今のところ事故やトラブルは発生していませんが
汚名が取り除かれるのはいつの日の事でしょうか。
7位は政府専用機の機種変更の検討に着手です。
国内の航空会社からその姿を完全に消しつつあるボーイング747
ジャンボジェットですが、整備を担当していた日本航空が747を
手放したため継続整備が不可能となりました。
このため政府は、専用機の所有の有無も含めて新たな機種変更の
検討に入ったものです。
8位は新生バニラ・エア誕生です。
格安航空会社のエアアジア・ジャパンが11月から社名を変更した
もので、今月20日から定期便を運航させることにしています。
LCC戦国時代の様相が各国でも鮮明になってきました。
9位は「風立ちぬ」、「永遠の0」のヒットで零戦ブーム到来です。
間もなく公開される映画「永遠の0」の話題を中心に今年は零戦が
一気に盛り上がり、出版界やプラモ業界は零戦ブームに沸いています。
でも、忘れてはならないのがこの零戦で多くの若者たちが大空に
散っていったという事実です。
航空史上では世界を震撼させた傑作戦闘機ではありますが、
決して全肯定すべきものではなく、戦争を語り継ぐ縁となるべき
ものだと思います。
10位は羽田空港の施設工事現場から旧日本軍機の残骸見つかる
です。
戦前から空港施設として機能していた羽田空港には、多くの旧軍機が
埋められている可能性がありますが、今回発掘された残骸には
D二号輸送機の文字が確認されることから、日本に数機が輸入された
ダグラスDC-3の国産型である零式輸送機の残骸と思われます。
ということで、独断と偏見で選ばせていただいた結果でした。
来年はどのような航空ニュースが生まれるのか、急速に拡大する
アジアの航空需要を背景に民間航空の動向から目が離せない一年と
なりそうです。