2013年11月19日
解明の糸口になるか、787
全日空はきのう、保有するボーイング787の1機の
バッテリー用充電器に不具合が見つかり、交換した
と発表しました。
しばらく鳴りを潜めていた787のバッテリー問題、
未だに根本原因は不明のままですが、今回の
充電器の不具合が問題解明の糸口になるかどうか
注目されるところです。
全日空によりますと、16日の夜、羽田と台北の
往復を終えた787を羽田空港で整備中に、操縦室の
計器がメーンバッテリー用の充電器に不具合が
あることを示しました。
全日空では、充電器そのものに問題があるとみて、
海外のメーカーに送って詳しく調べることにしています。
直前のフライトでは、バッテリーの電圧などは正常値
だったということで、充電器を交換した787は17日の
朝から通常通りの運航をおこなっているようです。
今年1月7日と16日に相次いで発生した787の
バッテリー発火、過熱トラブルは、その後もおさまらず、
一時、世界各国で運航停止に追い込まれました。
発生当初はバッテリーを製造している日本のメーカー
に注目が集まりましたが、その後、発熱の原因が
必ずしもバッテリーにあるとは言えず、周辺の制御装置
の異常など複合的な要因があることが分かってきました。
メインバッテリーシステムは、バッテリー本体が日本製、
充電器を含む電圧制御システムはアメリカ製、それらを
含むシステム全体の設計はフランスのメーカーが担当
するといった複雑な製造工程を経ています。
それらのどこに異常があったのかは未だに解明されて
いませんが、今回、充電器の異常が見つかったことで、
異常の原因を徹底解明することによって、今回の一連
のバッテリートラブルの問題解決に一歩近づける可能性
が出てきました。
787に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、8個
の単体のセルから成っており、その一つ一つのバッテリー
の電圧をチェックしながら充電しないと、過充電や充電不足
のセルが生じます。
このため、通常のバッテリーの充電と異なる電圧制御
システムが必要で、より複雑化したバッテリーシステムを
いかに管理するかが重要な課題となっています。
一連のバッテリートラブルの原因はいったいどこにあるのか、
いずれにしても、ドリームライナーとして誕生した787の
今後の発展のためにも、一刻も早い解決が図られることを
願うばかりです。