2011年06月07日

オスプレイの憂鬱(その5)

共同電によりますと、アメリカ国防総省は6日、
来年の後半、沖縄のアメリカ軍普天間飛行場に
ティルトローター機のMV-22オスプレイを
配備する方針を明らかにしました。

オスプレイの沖縄配備については以前から
囁かれており、今回の国防総省の声明によって
正式に配備が決定したことになります。

ティルトローター機は、ヘリコプターの持つ垂直
離着陸、ホバリング機能と、固定翼機の持つ
高速、長距離飛行の特徴を併せ持った理想的な
システムを備えた航空機です。

1950年代半ばから本格的な開発が行われ、
ヘリコプターメーカーのベル社が開発したXV-15
などが初期段階の飛行に成功しています。

軍用機としての開発がスタートしたのは1980年代に
入ってからで、1982年にアメリカの陸軍、海軍、空軍、
海兵隊の4軍共同のJVX(統合先進垂直航空機)として
名称が与えられ本格的な開発がスタートしました。

メーカーは先行開発していたベル社と大型ヘリの開発を
行っていたボーイング・バートル社の共同開発となりました。

オスプレイは試作段階で2回、量産機開発段階で2回の
重大事故を起こしています。
1回目の事故は、1991年6月11日に試作5号機で
起きています。
この時の事故原因は、飛行制御システムの配線ミス
でした。

2回目の事故は、翌年の7月に試作4号機で起きた
事故で、原因は右エンジン内でのオイル漏れに
端を発したエンジン火災で制御不能に陥りポトマック
川に墜落したものです。

3回目の事故は、前方を飛行していた僚機が減速
したので、衝突を回避しようと急減速と急降下を
同時に行ったため、自らが生み出した下降気流の
中にローターが入り込んでしまい失速する、いわゆる
セットリングウィズパワーという現象を起こして墜落
したとみられています。
(日本でも山岳救助を行っていた県警ヘリの墜落
原因とみられているのがこの現象でした)

そして4回目の事故は、2000年12月11日に
発生しました。
(11日が多いというのが気になりますが・・・・)

この時は、夜間飛行の訓練中で原因は、いくつかの
複合的な要因が重なり、パイロットが不適切な操作
をしたことから墜落に至ったとされています。

それから11年、今日では問題点も解決され部隊
配備も進んで、アメリカ国内ではハリケーン災害の
救援活動などに出動していることはご承知の通り
です。

新機種が開発される段階での事故は、オスプレイ
に限らず他の航空機にも見られます。
現在では要人輸送に使われているヘリコプターでも
開発段階で何度かの事故に見舞われています。

オスプレイに機構上の重大な欠陥があるわけではなく、
いたずらに危険視する報道もいかがなものかと思う
のであります。

騒音問題にしてもオスプレイの飛行を実際に確認した
人は現用の大型ヘリコプターのほうがはるかに大きい
といいます。

ヘリ騒音の発生源はエンジン騒音よりも直径の大きな
メインローターと機体の方向を制御するテールローター
にあります。

いずれにしても、いたずらに騒ぎ立てるのではなく
日本の安全保障の観点から冷静に今後の動向を
見守りたいと思います。

| 13:34 | カテゴリー:田中穂蓄


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