2009年06月21日
背に腹はかえられぬ?
すでにニュースなどで報じられている通り、
アメリカの最新鋭ステルス戦闘機F-22に
ついて、日本への輸出の可能性を検討する
報告書の提出を義務付ける修正条項が
アメリカ下院軍事委員会で可決されていた
ことが分かりました。
F-22ラプターの生写真がまだ撮れていないので、
手持ちの144分の1のプラモデルで申し訳ありません。
(いま、イタレリ・タミヤの72分の1のプラモを製作中です)
高度な軍事機密を含む最新テクノロジーを搭載した
ラプターは、ご承知の通り我が国の第4次FXの
最有力候補となっていますが、アメリカ議会の禁輸措置に
よって、導入は不可能と見られていました。
ところが、アメリカ議会がここにきてラプターの輸出型開発の
調査費を含む補正予算増額の修正案を合意したことから
雲行きが俄かに変わってきました。
つまり、日本へのラプター輸出に道を開く可能性が
出て来たのです。
こうしたアメリカ議会の動きに対して、先にラプターの
調達中止を表明したゲーツ国防長官は不快感を
示しています。
最終的にオバマ大統領がどのような判断を下すのか
注目されますが、深刻な危機にさらされているアメリカ経済の
救世主になる可能性もあるラプターだけに、背に腹は
かえられないといったところでしょうか。
なにしろラプターは、現在、航空自衛隊の主力戦闘機である
F-15の倍以上の247億円もする代物、しかも、
ライセンス生産を求めている日本側に対して、アメリカ側は
防衛機密上すべて輸出による取得を要求してくるものと
見られます。(輸出が許可になった場合)
輸出型は性能や装備などのグレードを落とした
ダウングレード型となるため、日本にとっては最新技術を
学ぶメリットは少なくなります。
今回、アメリカ議会が新たな動きに出たのは、国内経済問題
のほかに、北朝鮮のミサイル発射・核開発問題、中国の
軍備強化の動きなどの背景がありますが、もう一つ、
現在、フランスで開催されているパリ国際航空ショーでの
ヨーロッパ製戦闘機ユーロファイターの派手はデモフライトも
影響していると見るのは、あながち見当違いでもなさそうです。
日本国内にはラプターの導入が無理であれば、ユーロファイター
の導入を本格検討したらどうかとの専門家の意見も
見られます。
ラプターを導入するとなると、100機程度の調達が見込まれますが、
1機250億円とすると2兆5000億円の買い物となります。
アメリカにとってはそんなおいしい売り物をみすみす売り逃すはずは
ないと思うのですが・・・・・
もっとも次の総選挙で政権が交代すると、こんな話、雲散霧消と
なるんでしょうが・・・・
ラプターとは猛禽のこと、その名の通り向かうところ敵無しの
F-22の今後の動きに注目です。