2009年06月07日
エールフランス機の捜索難航
1日に起きたエールフランス機の事故から
1週間がたちましたが、機体の捜索は
難航しているようです。
今朝の共同電によると、捜索中のブラジル空軍が
乗客とみられる2人の男性の遺体を収容したと
いうことです。
1日の事故発生以来、遺体がみつかったのは
初めてで、墜落したエールフランス機の搭乗券が
入った革製のブリーフケースも見つかったと
いうことです。
遺体が収容された現場海域は、水深が2000m
から3000mもあり、捜索は難航していますが、
フランス海軍は原子力潜水艦を投入して、
ボイスレコーダーやフライトレコーダーなどの回収を
急ぐ方針です。
フランス海軍は深海潜水作業にかけては世界一の
レベル、アクアラングを開発した海洋学者クストー博士
も所属していたくらいですから期待は高まります。
このニュースで、1950年代に起きたイギリスの
デ・ハビランド・コメットの連続墜落事故のことを
思い出しました。
1954年の1月と4月に、就航して間もないコメットが
地中海上空で空中爆発を起こし、機体はバラバラに
なって海底に沈みました。
世界初のジェット旅客機として華々しくデビューを
飾っただけに、この事故は世界に衝撃を与えました。
イギリスは国家の威信をかけて地中海から機体の
残骸を回収し、事故調による徹底的な原因究明を
行いました。
地上に巨大な水槽を設けて、コメットの胴体を沈ませ
給水、水抜きを繰り返して機体にかかる圧力が
胴体にどのような影響を及ぼすかを調べました。
その結果、事故原因は当時、民間機に実用化された
ばかりの与圧装置(機内の圧力を地上の気圧とほぼ
同程度に保つ装置、これにより快適な空の旅が出来る
ようになった)によって、胴体の外版に金属疲労が
生じ、ある時点で耐えられなくなり小さな亀裂から外版が
一気に破裂したことによるものと分かりました。
この事故の教訓は後の航空機の安全対策に生かされ、
現在では胴体に亀裂が生じても一気に破壊されないような
補強がなされています。
最新のテクノロジーが搭載されたA330が、なぜ大西洋に
沈んだのか、機体の速度を示す計器に異常があったと
する情報がありますが、電気系統のトラブルか、あるいは
機体速度を測定するピトー管に異常があったのか、
それとも・・・・・
ピトー管に異物が混入したり、凍結着氷すると測定不能に
なります。
凍結しないように飛行中ピトー管はヒーターで温められて
いますが、電気系統の故障によってこの機能がダウンした
可能性も無きにしも非ずです。
いずれにしても、ボイスレコーダーとフライトレコーダーの
回収が急がれるところです。