2007年12月23日
私のラジオデイズ21
新宿・歌舞伎町のDJアルバイト顛末記
きょうは其の4です。
当時、私がDJをしていた喫茶店では、
ガラードというメーカーのプレーヤーを
使用していました。
言わずと知れたイギリスの名門オーディオメーカーの
製品です。
このガラードのレコードプレーヤーには、
オートチェンジャーが搭載された製品があり、
連続して音楽を店内に流すことが必要な喫茶店には
ぴったりでした。
当時は有線放送などは存在せず、各喫茶店は、
それぞれ独自の音楽ジャンルで店の特徴を
競っていたのです。
ガラードのオートチェンジャーはそれは優れもので、
ターンテーブルの芯の部分に15センチほどの
金属製の棒を差し込み、棒の中ほどにある爪で
LPレコード4~5枚を支え、1枚目のレコードの
片面の演奏が終了すると、爪が瞬時に棒の中に
収納され、次の2枚目のレコードがターンテーブルに
落ちてきて演奏を始める仕掛けになっています。
DJタイムの時は、この棒を取り去り、普通のプレーヤーとして
使用するのですが、何しろ、プレーヤーはこの1台だけなので、
放送局のスタジオのように、2台のプレーヤーを使用して
放送するようなわけにはいきません。
マイクに向かって喋りながら、両手、もしくは片手でLPを
つかんで、プレーヤーにセットし、ピックアップを正確に
レコードの曲頭にセットしなければなりません。
まさに神業が要求されるわけですが、いつもうまくいくとは
限りません。
片手に持ったレコードを落としてしまい、「失礼しました。
しばらくお待ちください!」なんていうこともしばしばでした。
それでもクレームなどつくことはありません。
店内のお客様は静かに聴いてくださいます。
便利な携帯電話などもまだ存在せず、ゆったりとした
雰囲気の中で、静かに時が過ぎていきます。
ところがある時、とんでもない出来事が発生しました。
この続きは、次回のお楽しみに!