2007年08月21日
航空機事故、テレビ報道雑感
那覇空港で起きた中華航空機火災炎上事故の
テレビ映像は、見る者に強烈なインパクトを
与えました。
幸いにも、乗客乗員は全員無事脱出し、
図らずも、旅客機の安全基準である90秒ルールが
実証された形となりました。
(もっとも今回は、客室乗務員の対応に問題が
あったようですが)
それにしても、今回もテレビ報道での航空機事故
に関するボンミスが目立ちました。
第1エンジンと第2エンジンの取り違えはまだしも、
事故を伝える資料映像が、同じ中華航空の
ジャンボジェットだったり、
ボーイング737-800の模型が別のタイプだったり、
はたまた、キャスターが「これが事故を起した
ボーイング737です」と、手に持った模型が
ボーイング767だったのには、さすがに仰天しました。
こうした間違いというか、いいかげんさは今に始まった
ことではありません。
その昔、セスナ神話というのがありました。
(私が勝手に言っていますが)
小型機が墜落すると、それがビーチクラフトであろうが
パイパーであろうがエアロコマンダーであろうが、
新聞の見出しには「セスナ機墜落!」となりました。
それ程、セスナ機は小型機の代名詞だった時代が
あったのです。
飛行機の機種名などは事故報道の本質とは関係ないと
言われてしまえばそれまでですが、
航空機メーカーの立場であったらたまったものでは
ありません。
同様に、右のエンジンであろうが、左のエンジンで
あろうが、事故の本質とは関係ない、大切なのは
エンジン付近から燃料が漏れて引火したことだ。
あるいは、スタジオで説明する模型が違っていても
たいしたことではないではないか、と送り手側が
考えているとしたら、(そうは思いたくありませんが)
とんでもないことです。
正しい航空知識を受け手に提供すること、これが
報道する側の責任であり、義務であると思います。
勿論、初期の段階では情報が錯綜して、分析が
十分に行なわれない状況が生じるかもしれませんが、
可能な限り正確な情報を伝えるよう努力すること、
これが報道に携わる者の最低限の責任だと思います。
キャスターに違った模型を持たせて、したり顔で
説明させることほど恐ろしいことはありません。