2007年01月16日
ラジオデイズ3
新諸国物語シリーズ3作目の「紅孔雀」は、
前作の「笛吹童子」を上回る大ヒット作となりました。
1954年にNHKラジオで放送され、後に、映画、テレビでも
放映され、どの作品も大人気となりました。
戦国時代、紅孔雀の秘宝をめぐって、那智の小四郎や
五升枡の主水ら白鳥党と、海賊の網の長者や幻術使いの
信夫一角らしゃれこうべ党が死闘を繰り広げる、
波乱万丈の物語です。
この物語の主題曲は「まだ見ぬ国に住むという 赤き翼の
孔雀鳥・・・・」で始まる名曲の他に、「不思議な鳥よ」と、
「風の小六」、「白鳥の騎士」という挿入歌があります。
特に「不思議な鳥よ」は、後に三橋美智也の歌でレコード化
されましたが、これは実に素晴らしい曲で、三橋美智也の
レパートリーの中ではほとんど知られていない隠れた名曲です。
ふしぎな鳥よ 紅孔雀 たずねてめぐる 幾山河
旅にのびたる 前髪に 吹雪の花が 散りかかる
この曲が収録されているLPアルバム「新諸国物語」は、
1972年にキングレコードから発売されました。
アルバムには、「笛吹童子」、「紅孔雀」、「オテナの塔」、
「七つの誓い」、「黄金孔雀城」、「天の鶯」といった
新諸国物語の各シリーズの主題曲と挿入歌が収録されて
いますが、注目はこれらの曲を歌っている歌手が、
三橋美智也のほか、倍賞千恵子、ペギー葉山、淀かほる、
若原一郎といった有名な歌い手であることです。
中でも、淀かほるが歌う、「オテナの塔」の主題歌は出色で、
私は、今日までにラジオ、テレビで放送された様々な
ドラマ主題曲の中でベストワンだと思っています。
きのう「日本の歌百選」が文化庁から発表されましたが、
この中に是非、入れて欲しかった曲です。
(時々、家のピアノでこの曲を弾くと、家内からはお願いだから
止めて、近所迷惑だからと文句をいわれます。楽譜も読めない
自己流ピアノだからです)
遠きあら磯 紅つばき 島にひとつの 塔ありき
昔オテナに築かれて 天の牢獄とよばれたり
作詞・北村寿夫、作曲・福田蘭童の名コンビが生んだ
放送主題歌の最高傑作です。
ラジオデイズ、最近は再びラジオドラマが注目されていますが、
戦後の人々の心に勇気と希望を与えてくれたラジオドラマの
体験記はまだまだ続きます。