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2006年08月31日
第021回/突発性中年。
060901.jpg 福山雅治さんを気どるオレ@THE 夢人島FES.2006。って、気どれてないっつの(笑)。っていうか、ガラ悪いっつうの。
  中年は忘れた頃にやってくる。あ、どうも、47歳ナヴィゲーター(アラサーどころかアラフィ)の渡辺祐です。そう、中年は忘れた頃にやってくる。どういうことかご説明いたしましょう。

  イマドキというのは、全体的に「若々しい」時代であります。47歳って言ったら戦前なら「定年まであと3年」だったんですよ。うひゃあ。戦後だってしばらくは「定年まであと8年」だったものねえ。うひょう。ぜんぜんそんなイメージないでしょ、イマドキ。具体的には、昭和の初期だったら桑田佳祐さんで定年。昭和のほとんどの時期で矢沢永吉さんは定年過ぎてます!

  「若々しい」時代。まず見た目上のポイントは、ファッション。これは今の40代後半〜50代が「メンクラ世代」「ポパイ世代」だっていうのが大きいですね。(ある程度は)お洒落するのが当たり前。ちなみにMEN'S CLUBは1954年創刊。POPEYEは1976年創刊。これに1980年のBRUTUS創刊を入れると「ちょい不良(ワル)オヤジ」の基礎工事が終了。ちなみに1954年にメンクラと一緒に生まれた方は現在52歳。POPEYE創刊時に22歳。BRUTUS創刊時に26歳。影響受けないはずがないな、こりゃ。ついでにLEON創刊時で47歳。影響受けないはずがありませんって、おほほほほ。それで言ったらワタシなんぞ1976年は17歳だぜ。ヤングだぜ、祐ちゃん。モロにPOPEYEでファッションのお勉強。それ以来、ずっと同じ格好しています。頭髪だけが同じ格好ぢゃないですけど。

  さらに、その見た目問題を裏打ちする要因として「気が若い」ということがある。幼いと言うよりは年齢に対して「油断してる」というのが適切か。特にワタシの周りのギョーカイ系の男どもは、だいたい30歳〜35歳ぐらいから精神構造が止まってますから(断言)。永遠の35歳。それでいいのか、ニッポン。

  でね、当然のこととして「中年化する」ことにも油断しているわけですよ。そりゃあ、体力はがっくりダウンしますね、40歳ぐらいから。まず太ってくる。そして徹夜できない、深酒できない、全速で走れない、クラブで踊らない(笑)、回数が減る(あらまあ)……と、例をあげたらキリがありません。がしかし、それでもまだ油断してるのよ、イマドキの中年は。精神と肉体のアンバランス。どこかで「戻れそう」って思ってるのである。「戻りたい」の方が正解かもしれない。で〜も、そ〜んなことはゼッタイないのですう、不可逆変化なのですう〜。←字余りフォーク調。

  この若作りファッションと度を超した気の若さのおかげで、外からも中(自分)からも見つけられない金属疲労的な「緩慢な中年化」が進行、その結果、どこかで折れる、ネジが。「あらら? オレってここまで中年?」と思い知らされる決定打の日がやってくる。がーん! 日本沈没!←深い意味はありません(防災の日だって言うのにねえ)。

  これをワタシは「突発性中年」と名付けております。中年は忘れた頃にやってくる。

  そこで問題なのは、金がないということだ。あ、違った、コレはクレイジーケンバンドの「スポルトマティック」の歌詞でした。ま、金も相当問題ですが、それ以上に問題なのは、「突発したオレの中年」に置いていかれた「オレの青年」なのであります。わかりますか? 年齢に油断してうかうかしてたMY YOUNG BLOODと「嗚呼、オヤジになっちゃった」というDIRTY OLD SOULがぶつかりあう。もめるんだ、これが(笑)。これぞ突発性中年のお悩み相談室。中年クライシスはすぐそこに。

  この話は長くなるので以下次回更新に続く。刮目して待て(Podcast版TASKBARでも話すかも)。
  青年は荒野をめざし、たどりついた荒野で断崖から落下する。落ちたところが中年砂漠。オアシスはどこだ!

今週の渡辺推奨物件
060901s.jpg 待ってました!CKBニュウ・アルバム!
クレイジーケンバンド

『GALAXY』

(SUBSTANCE/9月20日リリース)

渋い!←ホメ言葉です! 渋いっすヨ、剣さん!
CKBのオトナっぽい世界が全面展開!
特にメロウなバラードに涙ちょちょ切れます!
http://www.crazykenband.com/

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TASK BAR blog staff | 20:01 | カテゴリー:
2006年08月26日
売れてる!? 吾妻さん!

060818_s.jpg速報! 先週のTASKBARの渡辺推奨物件で取り上げた吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERSのニュー・アルバムがJ-WAVE CD ONLINEのウィークリーセールス1位を獲得しましたあ! なんか嬉しい(笑)。もっと買って!

ご購入はコチラから>>

TASK BAR blog staff | 19:20 | カテゴリー:渡辺推奨物件
2006年08月24日
第020回/君ボク。
TASKBAR060825.jpg 今週土曜はボクチンDJやります。もう入場制限いっぱいで入れないらしいので、そっとチラシだけご紹介。また来月もやりますんで機会があればお会いしましょう。
   そういえば「タモリ倶楽部」見た?安斎肇さん「三せん運動」やってますかね。「遅れません、忘れません、言い訳しません!」。やってないね(笑)。

   今週は「ライバルとは何か」について考えるウィークです。え? スペシャル・ウィークだから? 違いますって。克也さんも照美さんも高田先生も(以下省略)、みなさんワタシごときが適う相手じゃございません。でもまあ、なんとかだましだまし(笑)長年やってます。スタッフとみんしるさんのチカラですよ。

   とてもいい顔の、とても美しい姿の「ふたり」を見た。早実の斎藤佑樹と駒大苫小牧の田中将大。延長引き分けとなった決勝戦の12回あたりからの投球は胸にこみあげるものがあった。ふたりともに。何故あんな低めにコントロールできるのか、佑ちゃん。最終回、サヨナラのプレッシャーの中で2三振取るんだもんなあ、田中くん。しかも、彼は三塁ゴロで一塁にヘッドスライディングしやがった。ああいうのにおやじは弱い。翌日の再試合、最後のバッターが駒苫の田中だったのも運命。野球ってよくできている。野球の神様、いますね、どこかに。テリー伊藤さんも指摘していたけれど、斎藤投手が試合後のインタヴューで「(駒苫の)田中も頑張っていたので……」と呼びつけにしていたのが良かった。いい関係じゃないか。試合結果だけを見れば、早実は「攻撃は最大の防御なり」を証明して優勝したのだと思う。投手戦とばかり言われているけれど、「勝つ野球」ができたなあ、早実。

   とてもいい顔の、とても美しい姿の「ふたり」を見た。J-WAVE LIVE 200+6の二日目、平井堅と小田和正。堅ちゃんのステージにスペシャル・ゲストとして登場した小田さんは、照れているような図々しいような、とっても素直な姿でそこにいたように思う。普通にそこにいるという佇まい、昨日や今日じゃできません。小田さんの「たしかなこと」と堅ちゃんの「瞳をとじて」を小田さんのギターのみでデュエット。素晴らしかった。マジに。どこか夢を見ているような出来事だった。本人に聞いたわけではないけれど、そこにリスペクトとちゃんとしたライバル意識があった気がする。体調の悪さ(大丈夫?)を押してでも平井堅が出演しなくてはいけない、そこにいなければいけない、まさに「LIVE」だった。同じ風に吹かれて同じ時を生きている。いいもの見させてもらいました。一生忘れません。忘れないようにそっと長生きしよう。

   とてもいい顔の、とても美しい姿の「ふたり」を見た。WEBマガジン「Manyo」での鈴木雅之と葉加瀬太郎。次号から始まる鈴木雅之さんの連載対談(ワタシが編集を担当)。最初のゲストが葉加瀬さん。12歳差の申年同士。アーティストにはステージやレコーディングがある。かたやソウル、かたやクラシックと入り口は違っても、世代が違っても、出会える場があるのがうらやましい。まだ掲載前なので詳しい話は省きますが、それぞれにプライドを持ったいい話が聞けました。読みたい方は9月1日アップ予定のManyoをご覧ください。検索すればすぐたどりつきます。

   とてもいい顔の、とても美しい姿の「ふたり」を見たことがある。2000年3月3日、日本武道館。忌野清志郎デビュー30周年イヴェント『RESPECT!』のステージ。忌野清志郎と井上陽水。このふたりが「帰れない二人」を歌った時のことだ。おっさんデュオで歌う「帰れない二人」。いい歌なんだ、これが、女々しくて。なによりお互いにシャイな風情がたまらなくよかった。その模様はCDとDVDに残されているので興味のある方はぜひどうぞ。ちなみに仲井戸“CHABO”麗一さんがソロで歌う「いい事ばかりはありゃしない」は絶品。矢野顕子さんの「海辺のワインディング・ロード」も。

   まだまだあるなあ……「ROOTS 66」のイヴェントでの田島貴男とスガシカオ。ふたりで「接吻」歌ったんですよ。たまらんだろ、そりゃ。やっぱ音楽は素晴らしい……って、スクービードゥーもいいこと言うね。

   考えるウィークとして、なぜその「ふたり」が美しいかを考えてみた。まずそれは「一対一」で向き合うことができるかということに関わってる。純粋に「一対一」になれること。そして、清志郎さんの言葉を借りれば「君が僕を知ってる」という心持ちがそこにあるからではないかと思うのだ。君が僕をわかっていてくれる。僕が君をわかっているよりも。

   他人でしょ、そもそも全員、世界中、みーんな他人。オレとオレじゃない人しかいやしない。つまりヒトはあらかじめ疎外されている。疎外を掘ったらあきまへん。暗い穴しかありません。だから、つきあいたい。深くつきあいたい。それにはチケットがいる。そのチケットを持っている人に出会う「場」も必要だ。野球選手はグラウンドで、アーティストはステージやスタジオで。それは「ふたり」の出会いなのだけれど、きっと違う出会いも呼んでくる。俺(たち)と甲子園、みたいに。ワタシとみんしるさんは毎週スタジオで会うけれど、それはリスナーと出会うことでもありますからね。そして思っているのですよ、君が僕を知ってる、僕は君を知っている……たぶん、ってね。たぶんのところが、ちょっとロンリー。愛してまぁ〜す。……ボス、どうしてるかな?

   君が僕を知ってる。少なくとも、こっちはそう思っている。「ふたり」のいい関係は、その了見で成り立っているとみた。

今週の渡辺推奨物件
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うわ、あらためて聴いてみたらやっぱ凄い!

フリッパーズ・ギター
『Three Cheers For Our Side〜海へ行くつもりじゃなかった〜』
『CAMERA TALK』

(felicity/8月25日再発リリース)

紙ジャケットになって2枚再発です。中年で聴くフリッパーズは照れくさい(笑)。でも、やっぱり強烈な存在感のポップでヤバイ革命児。
http://www.1fct.com/

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TASK BAR blog staff | 22:14 | カテゴリー:
2006年08月17日
第019回/たぶん出てない。
060818.jpg 本文とは関係ありませんが、先日地下鉄構内で発見した「なぜそれを書いておくのか」というハテナマーク頭上点灯物件です。小冊子が風で飛ぶからね、オモリを置いたんですよねえ。でも、なぜわざわざそれを書いておくのか。オモリであるというアイデン&ティティか。
   停電、大丈夫でしたか?ワタシは直接的な被害を受けませんでしたが、マンションなんかは給水ポンプが止まって水が出なくなったところもあるとか。電気がないと雲古もできないボクたち。「いつもあるものがない」というのがどれほど大変なことかってことですね。「一緒にいると感じないけど離れた瞬間に不安になる」という恋愛感情に似てなくもない。似てないか。

   今週は「センチメンタルおやじPOP/2006夏」な選曲をそこそこにして「今週の渡辺推奨物件」をちょっと濃いめにお届けする予定。アイテムは吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズのニュー・アルバム『Seven & Bi-decade』。詳しいことはオンネアでお話ししますが、ジャンプ&ジャイヴ・ブルーズ・バンドとして働きながら活動すること27年!今回はこれまた完全おやじブルーズばっかり収録(笑)。ま、聴いてのお楽しみです。

   その『Seven & Bi-decade』の中に「学校出たのかな」というナムバーがある。「大学本当に出たのかな?」っていうのから始まって「高校ホントに出たのかな?」「中学出たのかな?」と、恐ろしいスピードでなーんにも覚えてないオノレに自問自答、おやじの頭脳を憂うブルーズ。これが凄いんだ。「六法全部言えない」なんていう例から「硫酸の記号も出てこない」「ルートの計算できない」「誰が作ったんだいい国(1192)」「エクスミューズ・キュー」(笑)などなど、そりゃもう耳が痛い凡例集(オンエア聴いてね)。

   曲の中でも「酒を飲み過ぎたかな」という反省フレーズが登場するけど、ホント、ワタシも学校で習ったことなんて何にも覚えてない。な〜んにも。自分の記憶力の不振に対する不信に腐心する日々。プシンはレゲエ。学校で習ったことは忘れちゃって、学校で教えてくれないことばっかり覚えてる。うわっはっはっは。笑ってる場合ですよ。そんな可愛くてやっかいなワタシの記憶。「MC」の意味がわかんなかったみんしるさんは責められません。ま、番組のグルーヴ上、責めときましたが。

   しかし、記憶ってテキトーだ。先日、あるアラサーの女性と懇談してた時のこと。なんだか将棋の話になって「ルールがよくわかんない」と言うので「“歩”は前にひとつだけしか動けないの」などど駒の動き方を教えていたら「はあ?」みたいな顔になったのである。「ん? 教え方が悪いかしら?」と思っていたら、その女性曰く「わたし、ずっとあの駒って“ほ”だと思ってた」。はあああああ?(まちゃまちゃ調)。ほ?そりゃ「ふ」だろ!ほ・ふ・ディランか!今日は135号線が小宮山雄飛!西湘バイパスを海側にワタナベイビー!(神奈川の夏ネタ)

   ちょっと興奮して訳がわからなくなりました。駒の動き方以前の問題でした。あれは「歩兵(ふひょう)」の略。ふひょ〜。たしかに「ほへい」とも読むけど。ほへ〜。記憶って覚えようとすると覚えなくて、覚えるときは間違っていても勝手に覚えるというところがやっかいもっかいあわびっ貝である。「おこと教室」を「おとこ教室」だと思っていたり、「月極駐車場」を「ゲッキョクという名前の駐車場チェーン」だと思っていたといった例など枚挙に暇なし。物件に出物なし。←吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズの代表曲。

   吾妻さんたちの「学校出たのかな」には漢字ネタで「尼さんじゃない、これじゃ尻さんだ」という凡例も登場する。確かに間違って書きかねない。どっちもツルンとはしている。そういえば中学だか高校だかの時に授業中に「楕円」というのを「ずいえん」と読んで大笑いされた男がいた。そりゃ新宿の中華料理屋だろ。以来、卒業時までそいつのアダナは「ずいえん」だった、気がする。しかもそれが中学だったか高校だったかが、今、かなり怪しいのねボク。いやまて、高校だな、あれは。確か現在お台場放送局に勤務する石井くんと笑った記憶があるような、ないような……誰か助けてくださ〜い!

   オレ、ホントに学校出たのかな。ま、大学は出てませんけどね。エクスミューズ・キュー。

今週の渡辺推奨物件
060818_s.jpg こりゃ楽しい!ジャンプおやじネタ!
吾妻光良&THE SWINGING BOPPERS
『Seven & Bi-decade』
(ビクター/8月23日リリース)
メンバー全員がお仕事を持ちながら活動すること27年というジャンプ&ジャイヴ・ブルーズ・バンド、新作キターです。おやじにのみ共感できる歌詞満載。オレが聴かずに誰が聴く。
http://www.jvcmusic.co.jp/boppers/

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TASK BAR blog staff | 18:30 | カテゴリー:
2006年08月10日
第018回/ダメかと思った。
060811.jpg 本文中に登場する「上手な冷やし中華」デス。うまかった〜。
  某週刊誌のJ-POP紹介欄のためにスガシカオさんのニュー・アルバム『PARADE』(9月6日リリース)をずっと聴いていたらあまりの歌詞の濃密さにやられてアタマが少しおかしくなっている(笑)、そんな47歳、渡辺祐です。ワタシは「他人の言葉」に弱い。誰かの発言を見聞して、それを自分のこととして思う癖があるようだ。いや、そこに「自分」がいるようで、いない。その言葉が向けられたであろう「誰か」になって想い、沈んで、はしゃいでいるのですね。ま、軽い分裂症であります(宣言するな!)。
  そこがつまり編集者に向いているのかもしれません。
  今月のTASKBARは「センチメンタルおやじPOP/2006夏」というテーマで選曲させてもらってます。そんな気分になっているワタシ(リスナーはいい迷惑ですね、すいません)が最近気になった「他人の言葉」。


「関東地方が梅雨明け」(7月30日の高校野球西東京大会決勝の中継)
  速報ニュースとして画面にこの文字が出たんですね、夏の高校野球、西東京大会決勝の画面にテロップ。そしてたった一行のこのフレーズが不思議とワタシをセンチメンタルにさせた。今月のテーマはすべてここから始まったと言っていい。え? そんなことなの(笑)。そんなことなんです。テレビ画面に映ったまぶしい神宮球場、夏の空、早実と日大三高の白いユニフォーム。その情景とたった一行の速報ニュース。梅雨が明けました。夏がきました。すごく嬉しい、でも、ちと切なくもある。その夏は、2006年の夏は、オレにも夏なのか。夏に呼びだされたいぜ。冷やし中華食いたい。(この件に関しては雑誌「小説新潮」の次号に短いコラムを書かせていただいたので、好事家の方はそちらもご覧ください)


「海へ行くつもりじゃなかった」(フリッパーズ・ギター「THREE CHEERS FOR OUR SIDE」)
  夏について考ていたら、うっかりフリッパーズ・ギターを聴いてしまった。なんと2枚のアルバムが紙ジャケ再発だそうです(8月25日リリース)。「海へ行くつもりじゃなかった」はファースト・アルバムのサブタイトルのようなものですね。47歳ともなるとたいていの場合、海へ行くつもりなんかないのである。いや待て、ないのか「つもり」。そこで、行くつもりじゃないオレについてちょっと考えてみた。行きたいねえ、海。行ってないねえ、海。行こうか、海。いいんじゃないの海パンダサダサでも。海のことを想っただけでオセンチメートル導入。忘れられたBIG WAVE。ちなみにうっかりフリッパーズを聴いてみた結果の感想は「47歳のおっさんになって聴いてみるとこりゃまあこっぱずかしいやね」でした(笑)。アルバムとしては同時リリースの『CAMERA TALK』がやっぱり傑作。甘きダメダメ青春POP。しかも過積載。こぼれてる。


「君のとなりにいるその人ってホントに君が思うような人ですか」(スガシカオ「午後のパレード」)
  スガさんのアルバム収録曲から。ここのところGROOVE LINEなぞでもよくかかってる。西沢さんは冷やし中華を作るのが上手。フリッパーズを聴いてスガさんを聴いたらアタマがおかしくなった(ホメ言葉ですよ!)。この「午後のパレード」はあまりに「男の弱さ」が丸出しになっていて、ちょっと嫌いなぐらいである(ホメ言葉ですって!)。結局、男は弱い。恋愛とラヴソングの主人公は女性である(by 福山雅治さん)。このスガさんが描く「男のイケナイ妄想まじりの情けなさ」のようなことについては、次号の雑誌「Style」に書いたので、これまた好事家の方は読んでみてください。ま、ワタシの解釈なのでスガさんに「違う!」って言われたらとっても困るのではあるが。スガシカオ「午後のパレード」→鈴木雅之「MISTY MAUVE」→真心ブラザーズ「DEAR, SUMMER FRIEND」→YUKI「ふがいないや」→オリラヴ「月の裏で会いましょう」→くるり「ばらの花」→カーネーション「MAGIC」→サザン「DIRTY OLD MAN」みたいな聴き方をして上がったり下がったりする。


「いったいいつまで同じ言葉を抱え込んでんだ」(スネオヘアー「スプリット」)
  そんなセンチメンタルおやじごっこ(ごっこかしらん)をしていたら、スネオヘアーの新曲で怒られた(8月23日リリース)。あんな男に叱られるとは思ってなかった(笑)。いい曲だぜ、ナベケン。本当だよね、いったいいつまで同じ言葉を抱え込んでんだ。スネオの自問自答癖が感染るね、どうも。それにしても、スピッツ「魔法のコトバ」、YUKI「ふがいないや」、そしてこのスネオ「スプリット」と『ハチミツとクローバー』関係のナンバーはどれもいいですね。


「可愛くてやっかいな私の運命」(「FRaU」 8/20号の特集タイトル)
  電車の中吊りでぼんやり発見。可愛くて、やっかいな、ワタシの運命。いいフレーズだ。歌詞にしたいぐらい。「FRaU」はもちろん女性誌なので、女性の心理をよく突いている特集タイトルだと思うのですが、結局は男だってこう思っている。その了見がサザンの「DIRTY OLD MAN」に通じるような気がする。大惨敗か大逆転か。可愛くてやっかいな運命の……中年(泣笑)。最近の女性誌はキャッチコピー合戦みたいになっていて、妙な造語とモデル名まじりのタイトルだらけ、男チームとしてはちょっとがっかりするようなイケイケ感覚なわけですが、この特集タイトルはいいなあ。サブタイトルの「占いで心のデトックス!」というのも上手いと思った。そういうものですね、占い。


「ダメかと思ったら、カメダ。」(「AERA」8月14-21日合併増大号)
  雑誌「AERA」のおなじみの一行駄洒落。あいかわらずくだらなくて好きです(笑)。このテの駄洒落を人はおやじギャグと呼ぶ。でも、ワタシは22歳で編集者になった時からこんなタイトルと本文とキャプションばっかり書いてきたのですよ。おやじになったから始まったことぢゃないのである。でも、その同じコトバを抱えこんだまま47歳になって、太って、ハゲて、老眼キター、である。その可愛くてやっかいなワタシの経歴について考えた。何してんだろうねえ、ボクったら。それこそダメかと思った。と、ここでまたオセンチがミリ単位でメートルを上げるのである。判定勝ち希望。「AERA」のく〜だらない見出しを見ながらそんなこと思ってるのオレだけかもしんないけど。


「代打、オレ」(古田選手兼任監督)
  実際には「代打、オレ」なんて言うわけがないのである。でも、この「ひとことの夢」を見させてくれた、すばらしいフレーズなのである。その古田さんに来期の戦力外が通告されると聞いた。監督専任ということだ。ちょっとへこんだ。古田選手兼任監督に特別の思いがあるのは、もちろん東京ヤクルトスワローズのファンだからですけど、きっとオノレが「プレイングマネージャー」だからなのだと思う。ワタシが事務所を持っているということもあるけれど、元来編集者というのは、どうもそういうお仕事なのです。自分が選手なのか監督なのか、という迷いはないのですよ。スタメンなのか代打なのか、オレが決める、ということの難しさじゃありませんか。常に監督であり選手であるのですからして。悩ましいねえ。まあ、アタマがおかしくなってるついでにもう一歩踏み込んじゃうとですね、そもそも「代打」ってなんだ。大事なシーンでその場に必要とされる仕事をしっかりやること……ではある。ではあるけれど、そこに「スタメン」がいるのである。自分じゃない誰かがそこにいて、自分はあくまで代わりにそこで頑張るですよ。「代打、オレ」を宣言することのプライドと諦め。いったい誰の、何の「代打」なのか……その想いを胸に、いい笑顔、でもロンリー。←先週のコラムもご参照ください。


  ここでまたスガシカオ「午後のパレード」を聴いて、ついでにフリッパーズ・ギターが積み過ぎてこぼしていったものを拾い集めて……冷やし中華を食う、と。センチメンタル中年クライシスも近いような気がしてきました(笑)。また長くなりました。特に携帯で読んでくれた方、すまんすまん。ま、とにもかくにも、すけさんかくさん、夏が、きました。真心の「DEAR, SUMMER FRIEND」な気分で、行こうじゃないですか。

今週の渡辺推奨物件
060811s.jpg 山田五郎氏の博覧強記が座談で炸裂!
『山田五郎のマニア解体新書』
(講談社/1,575円)
切手マニアから団地マニアまで、11人(+みうらじゅん)の怒れるマニアが山田五郎と語り倒すマニアけもの道!フツーの人にはまったく役に立たない人生指南書デス。
http://www.kodansha.co.jp/

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TASK BAR blog staff | 12:28 | カテゴリー:
2006年08月03日
第017回/でも、ロンリー。
060804.jpg 本文中に登場するマイクル・コナリー著『暗く聖なる夜』です。マイクル・コナリー自身ももちろん大のJAZZ好き。敬意を表してワタシのJAZZフェイヴァリット盤と一緒に撮影。
   スピッツの「魔法のコトバ」にちょっとキュンときてる47歳、渡辺祐です。映画『ハチミツとクローバー』では花本先生(堺雅人)と原田さん(西田尚美)のことばかりが心配でした。ヤングの恋などどうでもいいんだな、オレ。「魔法のコトバ」は、実はそういうオトナ、ないしはオトナになりかけ、のカップルに効きます(断言)。閑話休題。

   今日は、「この素晴らしき世界」のことばかり考えていた。最初に言っておきますが、この原稿、長いよ。WHAT A WONDERFUL WORLD。ルイ・アームストロング。にっちもサッチモです。J-WAVEでもよくかかる曲。映画でも『グッドモーニング・ベトナム』『ボウリング・フォー・コロンバイン』(カヴァーね)などでシビれるような使われ方をしてた、確か。あと、『スウィングガールズ』。

   先日、ワタシが愛好する作家、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ『暗く聖なる夜』(講談社文庫)を遅ればせながら読了。遅ればせながらというのは、文庫が昨年9月の刊行なのでミステリー/ハードボイルド/クライム小説好きとしてはかなり遅い。反省。マイクル・コナリーは、このシリーズとは別の単発長編『わが心臓の痛み』(扶桑社文庫)がクリント・イーストウッドの監督&主演で映画化(映画タイトルは『ブラッド・ワーク』)されているので、映画ファンもその作風のハードな雰囲気はおわかりいただけることと思う。ハリー・ボッシュは、そのコナリーが生み出した現代最高のハードボイルド刑事(最新作では“元ロス市警刑事”)。その祝福されない生い立ち、ヴェトナム体験、そしてロス市警での数々の「事件」を経験することによって負ったトラウマの固まりみたいな男である。その数々の「事件」が第一作『ナイトホークス』以降、次々と彼を襲う。受け身なだけではなく「事件」を呼んでくる、と言った方がいいかもしれない。小説とはいえ、とにかく胃が痛い、ついでにココロも痛い生き方だと思っていただきたい。

   そんな彼の趣味がJAZZ。アート・ペッパー好き。『暗く聖なる夜』にも随所にJAZZが織り込まれているのだが、特に今回はルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」がボッシュの内面を象徴する重要なキーワードとして登場する。未読の方には、読みどころのネタバレになるので詳細は省略。

   実は、今まで「この素晴らしき世界」の歌詞カードを見たことがなかった。まあ、木々が緑でバラが赤くて空は青い、嗚呼、素晴らしきかなこの世界……という歌ですな、というゆるい認識だけでいた。英語力の限界もあるが、どうも「自然に癒される」という方面で引用されていることが多かったからかもしれない(この件は『暗く聖なる夜』下巻の解説でジャズ愛好家の林家正蔵師匠も指摘)。いや、『グッドモーニング・ベトナム』や『ボウリング・フォー・コロンバイン』は違った。そこで気づくべきだった。

   『暗く聖なる夜』の中で、その歌詞が引用されている箇所がある。「青い空が見える 白い雲も見える」(翻訳は古沢嘉通氏)。出だしは、まんまだ。だが、いわゆる決めゼリフである「なんと素晴らしい世界だろう」の直前にある一行にワタシは目を疑った。

   そこにはこうあるのだ。「そしてわたしは、ひとりでこう思うのだ」。ひとりで……って何だ。激しくワタシはそこに反応してしまったのである。だが原詩を知ってるわけじゃない。あわててTOWER RECORDSに走って歌詞カード付きの日本盤を買ってきたのである。英語ではこうだった。「And I think to myself, what a wonderful world.」。うーむ、「I think to myself」…… わたしはひとりでこう思うのだ……。ワタシの中でいきなりこの歌の情景が変わった。いや待て、その前の歌い出しからすぐの行にはこうあるではないか。木々が緑でバラも赤くてと言った次のフレーズだ。「I see them bloom for me and you」。ミー? アンド・ユー?

   その後の歌詞に出てくるフレーズもまとめてしまえば「あなたとわたしのために木々が緑でバラも赤くて空が青く雲が白いのが(ワタシには)見える」「そしてわたしは、ひとりでこう思うのだ……なんと素晴らしい世界だろう、と」。そう、すべて一人称なのだ。アナタとワタシがいても、WEじゃない。

   ワタシが目を疑ったその一行に、作者であるG・ダグラス&ジョージ・デヴィッド・ワイス、そして歌ったサッチモがどれだけの意味を込めたのか、詳しくは知らない。でも、とにかくなんだか猛烈に孤独な歌だと思え始めたのである。苦悩の歌なのではないかと思え始めたのである。なにせ英語力のないオレ流の理解ではある。でも『暗く聖なる夜』を読み進めると、この「ひとりでこう思うのだ……」の部分にコナリーも同じような意味をこめているのではないかと思い至ることになるのである。

   サッチモ・ファン、JAZZファンには、いまさら騒ぐ事じゃないよと鼻で笑われそうな事態である。だが、ワタシはこういうことだけには熱心なので、他の翻訳もさがしてみることにした。独学上等。結果、どうやら一般的には古沢氏の「ひとりで思う……」という訳し方と、「そして、わたしの心に沁みてゆく」といった解釈があるようである。後者の訳だと一人称である意味が少し薄れる。もう一歩、「それがわたしには身に染みる」というニュアンスの方が個人的にはシビれる気がした。

   あなたとわたしで見ていた空が身に染みる。

   意外と身近なところでは東京スカパラダイスオーケストラの1995年のアルバム『GRAND PRIX』でこの曲がカヴァーされている。その歌詞カードでは「ふと我に返れば」という訳がつけられていた(日本語訳は川上つよし氏)。「ふと我に返れば 何て素晴らしい世界」。これもまた孤独だ。このアルバムの制作中にクリーンヘッド・ギムラがこの世を去ったことを思うと重ねて胸が痛い。

   ワタシは何かを見ている。ワタシは何かを感じている。そこには美しいものも醜いものも見える。見えてしまう。殺すために子供を産んでいるような大人。夏休みのプールで死ぬ子供。ヘンな判定のボクシング。身の回りにも好むと好まざるとにかかわらずカナシミはあふれてる。別れがある。サヨナラがある。諦める。でも、諦められない。泣きたい。でも、泣けない。欺瞞は酒で流して、自己弁護の海に酔うなり。

   オトナになるとそういう時でも奥歯を噛みしめていい笑顔でいたいとは思う。「いい笑顔、でもロンリー」といった了見である。なにせすべてが自分の思う通りにはならない。美しいものだけを見ては生きてはいけない。だからこそ美しいものを見ようとしてしまうのか。いや、美しくない世界を見ているからこそ、その世界に立っている自分にひとりで問うのか。なんて素晴らしきこの世界。

   そうだった。「素晴らしきこの世界」となると真心ブラザーズの曲だ。わかってんな、やっぱり、真心は。忌野清志郎さんが歌ったヴァージョンも素晴らしい。

   今日は、「この素晴らしき世界」のことばかり考えていた。「I think to myself」の一行に、もっと早くたどり着きたかったと思った。オノレの不勉強を嘆く。マイクル・コナリーにあらためて感謝である。しっかし、つたない文章だ。自問自答である。つまり独り言だ。47歳にもなってこういうオセンチなところが自分でも情けない。
 でも、とにかくひとりで考えてみたのである。

今週の渡辺推奨物件
060804s.jpg スカパラ・川上さんがサッカー本を上梓!
川上つよし著『オマエにマンマーク!』
(ソニー・マガジンズ/1,365円))
サッカー番長・川上さんが“シロートならでは”の目線で大好きなFC東京の選手から日本代表までを綴った単行本です。表紙イラストは安斎肇さん(校了ギリギリで入稿!)
http://www.sonymagazines.jp/
http://www.tokyoska.net/

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TASK BAR blog staff | 21:23 | カテゴリー:


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