2021年08月05日

戦艦武蔵

三菱長崎造船所で生まれた戦艦武蔵
戦艦大和と同一型の二番艦として三菱に建造が委託されたものです。
その企画から立案,着工まであらゆるものが超極秘扱い。まずはその存在や全長ですら当事者にも明かされない徹底ぶり。これを受け入れる造船所の準備も大変なものです。

まずは今まで前例のないような巨大な造船ドックが必要ですが、そんなもの存在しません。今あるドックを拡張して土台も補強しなければこの巨大な得体の知れね船体を支えきれず崩壊の危険も!

建造中の姿も当然外からは見えないようにカモフラージュが必要。軽くて丈夫で経年変化も考慮したある素材がテストで優秀な成績を収めました。調達は全国からかき集めないとなりません。

建造が始まるや街中には警官の姿が目立って増えます。それどころかスパイに目を光らせ巧みに変装した特高警察も。長崎はそもそも国際都市,外国人も多い上に湾を見下ろせる高台に囲まれたようなもの。監視の目はあちらこちらで光ります。伝統のお祭りペーロン競争も遠く離れた場所で地味に催され...


そんなある日事件が巻き起こります。毎日毎日一枚ごとに出し入れを厳重にチェックしていた300000余の設計図の一枚がどうしても見つかりません。消去法でどの部分の図面かはすぐ判明しましたが、それはたった一枚から搭載予定の大型の主砲の規模や船の全貌を窺い知る事ができる最重要機密の一枚。もしも敵スパイの手に渡ってしまったら...

すぐさま大規模な捜索と徹底した犯人探しの開始です。あるものは監禁され,拷問を受け,やがては仕事に復帰できないトラウマを抱えて...

進水式までにも様々な機密保持、工期の短縮等様々な制約を受けつつ、前代未聞の巨大戦艦は完成に近づいてゆきます。
今日8月5日は昭和17年のこの日、完成した武蔵が三菱重工長崎造船所から帝国海軍に引き渡された日
トラック島のびよう泊地で戦艦大和と対面し山本五十六総司令を迎え入れたところまでは良かったものの、戦局はすでに航空戦力主体の時代に移ろうとしていました・・・・・

| 23:48 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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