2021年08月04日

インザハイツ

ラティーノ達のネアかなウェストサイドストーリー
公開中の映画インザハイツを一言で言い表すならそんなところでしょうか?たまらなくハッピーな気持ちにさせてくれるミュージカル映画です。

原点はNYブロードウェイの人気作、舞台はジョージワシントン橋のたもと,ブロンクスの西側118丁目辺りのワシントンハイツです。白人のビジネスマンやファッショナブルなモデル体型の女性は目にしません。ここは中米からの移民たちが多く住む地区。不法滞在だって珍しくはありません。

家族で米国に渡ってきたウスナヴィの名前の由来は通りかかった艦船のusnavyの文字。妹ニーナはエリート大学進学を果たし,地域の希望の星に...でも父親は学費の工面に四苦八苦,ニーナは移民の身上から孤立感に悩み退学ばかり考える日々。

ウスナヴィは憧れの美容師ヴァネッサとのデートを夢見るコンビニ店員。だけど故国に店を構える日を夢見て...

ラテンタッチの明るいメロディーとリズミカルな楽曲に合わせてジョージW橋を見渡せる広い交差点や市民プールいっぱいのお客が繰り広げるダンスシーンの数々。果ては夕陽の当たるアパートの非常階段から壁面へ!

パーティーの夜を大停電が襲います。パワーレスな街でパワーレスな移民達はめげる事なくエネルギッシュに踊ります。

そして祖国に帰国の前日,憧れのヴァネッサが冷えたシャンパンを手に現れて...

ワシントンハイツで暮らした昔の日々を子供達にウスナヴィが語り聞かせる、という設定だと思っていたら...

トランプ時代の移民政策がモチーフと思いきや、ずっと前からブロードウェイで人気の演目,撮影当時はトランプ在任中と思われ、映画製作にも一層力が入っていたかもしれません!

欧州でガソリン車がEVに取って代わられる頃アメリカでは白人が過半数を割り込んでラティーノたちが多数派を占めるようになると,こんな映画もしばしば見られるようになっているかもしれません。

| 22:15 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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