2021年07月27日

2030になったら

ニュースによりますと独・メルセデスも全モデルのEV化を2030年までに完遂すると・・・・
市場の求めに応じて、とエクスキューズはあるようですが,SクラスもAクラスもモーター音だけ残して走り去っていく電気自動車に生まれ変わるのかと思うと自動車百数十年の歴史も本格的な転換点を迎えるのだなあ、という気にさせられます。

これほどの大きな変節店を迎えるのは戦後の1940年代から50年代にかけて、自動車デザインがカブトムシ型からテールフィンの屹立具合を競い合う、アメリカの恐竜車時代までの十年ほどの変化が引き合いに出されそうです。

さて、メルセデスともなればその大半のモデルはカローラやゴルフよりも価格が高く、テスラ3が買える顧客でようやく選択肢に入るかな?といった富裕層がメイン。2万ドルクラスのシビックやセントラ級のEVを用意しない限りはマーケット全体に与える影響はまだまだ・・・・・

一方、日本ではスズキ、ダイハツ、日野、いすゞといった軽、商用車系メーカーが一同団結して電動化への道筋を模索する動きが見られます。先日の記者発表には日産、ホンダを除く各社首脳が顔を揃え、先の見えない未来への対策をアピールしていました。
5,3ナンバー乗用車系はともかく、軽乗用ではターボ化は精一杯。ハイブリッドと名乗る車種も実質は電動アシストが精一杯です。それもこれも動力用電池の価格の高さ。実用的な航続距離を200km以上と考えれば必要な電池のコストは、どう見積もっても50万円以上、これ身モーターや制御系の部品代、開発費を上乗せしたら軽トラックでさえ200万円近い買い物になってしまいます。

さらには大型商用車の問題。一日で1,000km近くも移動する大型トラックの動力源を電池だけで賄おうとすれば、その重量は何トンになるのか?充電器は何台必要になるのか?一部の路線バスには水素を充填する燃料電池が実用化されていますが、これも補給インフラや航続距離を考えたら大型トラックの動力源としてはまだまだ。
大型車、軽自動車様の未来予想図は描ききれません。

結局のところは、期限が迫ってきた段階で「2035年は無理そうだから、いったん先延ばしします」とされるのが関の山ではないだろうか??

| 18:55 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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