2021年07月30日

意外な長寿ブランド

今では押しも押されもせぬ日本の軽自動車トップを争うメーカーの一画
だけでなくアジアのマーケットでも重油な役どころを担っているダイハツ。
トヨタグループ入りする前は関西に本拠を構える独立した自動車メーカーでした。その歴史は戦前からの三輪車製造に始まりますが、乗用車生産は意外にも新顔の方に属します。とは言っても半世紀以上の歴史を誇りますが。

乗用車生産に先んじてスタートしたのが軽四輪車の開発。1960年代初頭は個人商店主などの商用利用が手堅い需要とみられていました。誰もがマイカー購入を考えるようになるのはカローラやサニーと言った手頃な大衆乗用車がデビューするまで待たねばなりません。

三輪トラックミゼットを大ヒットさせたダイハツが次に世に送り出すのが四輪トラックの軽自動車ハイゼットでした。

書店でたまたま目についたのがこの知られざる軽自動車最長のブランドネーム,ハイゼットの歴代モデルをまとめたムック本です。
ダイハツ本社に保存されている歴代車両はどれも新車当時の輝きを保っており,グラビア写真ページを飾ります。
初代からほぼ変わらずフレーム構造の上に縦置きエンジン,後輪駆動という保守的なレイアウトを保ったまま,世界一厳しい排気ガス規制を乗り越え,度重なる安全基準の見直しで昔の5ナンバーサイズにまで成長した過程をつぶさに見ることができます。

ワンボックスが今ほどもてはやされなかった時代からワゴンボディに回転対座シートを導入したり大きなガラスサンルーフで覆われたハイルーフを導入するなど、意欲作も数々。まもなく義務付けられる衝突安全ブレーキの導入もいち早く行っていたのがハイゼットです。

スバルサンバーという個性的なライバルもいなくなり未だに月販1万台を数えるダイハツの屋台骨といっても良い存在。

何気なくぼーっと眺めていた存在ですが、少しづつ、この5速マニュアル後輪駆動の2ドア2シーターの軽量車が気になってしまう一冊です。

| 23:07 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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