2021年03月03日

volvo2030

Dscf42312日、ボルボが世界に向けて発信したニュースにはちょっと驚きました。2030年までに世界販売するすべてのボルボ車を電動化する、というものです。
どっかの都知事が口にする中途半端な電動化ではありません。ガソリンエンジン搭載のハイブリッドも含めてすべてのエンジン車は販売を終えるというもの。しかも注文できるのはオンラインに限る、ということです。

昔のボルボと言えば保守的な車づくりの最右翼とみられていて古い世代の車種がいつも現役で元気よく走っているイメージがありました。土曜日午後の番組、シーズンズのマリエさんも、かつてのボルボオーナーの一人。あずき色の240系セダンは元をただせば1970年代から続く140系のスタイルを受け継いだモダンクラッシックなデザインが魅力でした。
Img_4260_20210303165301あの頃のボルボは滅多にモデルチェンジすることがなく、いつでも安心して新車が購入でき、中古車を買っても末永く乗り続けられるのが魅力でした。創刊当初の雑誌ポパイには、アマゾンことボルボの122系セダンが人気のクルマとしてよく、採りあげられています。

安全追及にも熱心なメーカーで、いち早く3点式シートベルトを開発、標準装備したほか特許を無料公開して、普及を促進したいきさつがあります。スウェーデン国内でボルボが事故に逢えばいち早く現場に急行し、事故原因の究明と安全対策の研究に取り組んでいたことも特筆に値するポリシーです。

そんなボルボも、やがてはフォードの資本傘下にくだり、今では中国史本のメーカーとして大変身を遂げるに至っています。

このところのボルボの攻めのスタイリングを見るにつけ、ずいぶんボルボのイメージも変わって来たなあ・・・・・と思っていたところ、今回の電動者全面移行の発表。環境や電動化には熱心な北欧とはいえ、やる時はやってくれるな、ボルボ!という感じです。

さて、ボルボの顧客はというとあくまで、一般大衆よりも明らかにハイクラスな層がメイン。現在市販されているEVのほとんどが4万ドルをわずかに下回る程度でしか手に入らないことを考えると、これからの富裕層はEVだけ用意しても充分ビジネスが成り立つ。とりわけ中国はそうでしょう。2歩でも似たようなものです。

が、カローラやシビックを大量に生産するトヨタやホンダのような量販メーカーがこうした思い切った戦略をとれるかというと疑問です。まずは2万ドル以下で買えるEV、それも充分な性能とサイズ、航続距離をガソリン車と比較出来得るものを用意しなければなりません。現状ではリーフもテスラも4万ドルを用意しないとこうしたレベルのクルマは用意できません。
トヨタやフォルクスワーゲンと言った大メーカーが2030年以降も販売競争を勝ち抜くためには、どうしても大きな壁を打ち破らないとならないようです。

2030年まであと9年、自動車業界はかつてない激動の時代を迎えようとしています・・・・

| 13:44 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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