2021年03月07日

40年前

今から40年前、新人研修で訪れた三陸海岸、大船渡という初めて耳にする土地で聞かされたのは過去の津波災害に関するもの。ここが岩手に湘南と呼ばれ気候温暖であることや海産物の旨さは、聞いたかもしれぬが記憶にはない。言葉だけで語られる過去の明治・昭和の三陸大津波やチリ地震津波に伴う巨大な災害の話。

3mをも上回る巨大な防潮堤を前に語ってもらった津波の話・・・・・それはとてもインパクトの強い話、ではあったものの現実にこれからそんな災害が起こるとは想像もつかず、民話の語り部を聞くような気分で聞いていたことを思い出します。

日本海中部地震が秋田県の海岸を中心に襲い掛かり106人もの死者を出すのはそれからたった二年余のこと。いつも遊びに赴いていた馴染みの場所がまさか、大きな津波に飲み込まれてあれほどの被害を出してしまうとは!

日本海側だから津波の心配がない、そんな妄信を口にする人は誰もいなくなりました。そしてまた十年の後、北海道奥尻島で200人余の犠牲者が出てしまった北海道南西沖地震の発生です。もう大津波は昔話などではなく現実の脅威でした。

言葉によって伝え語られてきたいにしえの大災害の教訓、潮が引いたら高台にすぐ逃げるんだ!必ず大津波が来る。大船渡で最も印象に残った教訓でした。

十年前の震災、大津波はたくさんの動画にも納められ、いまでもクリック一つでその恐ろしさをリアルに思い知ることができます。語り継ぐ、といいう先人たちが残したノウハウを、いまやこんなにもリアルに色あせずに伝えられる私たち。大津波を防ぐことは出来ないかもしれないけれど、津波から逃れる術は明日からも忘れずに語り継いで、記録し続けていきたいものです。

| 08:27 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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