2021年01月18日

半導体が・・・・ない

自動車マニアを毎年多数集める東京オートサロンが中止され、今年は出ばなをくじかれた業界・・・

それよりも今、自動車メーカーを悩ませているのは・・・・・

半導体の供給不足から各社、生産台数を減らさざるを得ないという状況が生まれています。
今、日産の稼ぎ頭となるべき主力車種のノートも泣く泣く生産台数を絞り込むを得ない苦境に陥っています。ホンダ、トヨタもいうに及ばず、スバルも減産を開始。いよいよ緊急を要する事態になってきました。


1トン以上もある鉄の塊のうちわずか数グラムのチップが届かないばかりにとんだとばっちりです。

そもそも自動車に半導体部品なんかは不要でした。70年代までは・・・・
本格的にクルマの部品で半導体を使い始めたもは日本の場合だと燃料噴射装置の内部です。機械式の燃料噴射装置と違って気温やエンジン水温、アクセルの踏み込み量や様々なセンサーから来るデータを演算して噴射するガソリンの量を計算してインジェクターからガソリン噴射する量を制御する、これを瞬時にやり遂げるために半導体を使ったマイクロコンピューターが必要だった訳です。

次に電子化されたのはオーディオを別とすればオートマ車の電子制御。それまでは油圧の強弱でオイルの流れを変えてバルブを動かしていたのが、電子制御でコントロールすることで、より細かなオペレーションが可能になります。3速ATが4速に、そしてロックアップ出来るようになり5速に・・・・・

マニュアル車でも表示、操作系では電子化されたクルマも登場し、デジタルメーターだの音声合成アラームだの走行、駆動系には直接関係無い部分にも半導体が使われるようになってきます。

時代が進むと電子制御サスペンションやバルブ開閉、さらにアクセルペダルの動きさえも電気仕掛けが採用され、シリコンウェハーと無縁なクルマは2003年まで生産されたVWビートル初代くらいのものになりました。今やキャブレターを使う日本車は事実上皆無、スーパーカブですらインジェクションを使っています。

これが電動モーターを載せるとなればその制御に膨大な量の半導体を要します。アクセルの踏み込み量に応じてモーターに適切な電気量を流すために高速でスイッチをオンオフしたりして細かい制御を行っています。・・・・だからワイヤーを引っ張ってキャブレターの入り口を開け閉めする様な単純な仕掛けでは済まなくなっている訳です。

んな訳で半導体不足、日産に限らずEVを作るメーカーは多かれ少なかれ逆風です。ガソリン車には...今では衝突安全や高度なナビシステム、それに来るべき自動運転に向けた半導体への依存度は高まるばかり。VWビートルのような原始的なアナログ車は、もう作れない位規制でがんじがらめです。

コロナの次は半導体不足に泣かされる自動車業界、いや5Gだって、これから出る新しいMacだって、半導体がなきゃ話にならないものばかり。果たして2021年はどんな一年になりますのやら・・・・

| 20:53 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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