2019年10月12日
もしもエドシーランがいなかったら?
たった12秒の停電で世界中のサーバーからビートルズの記述、だけでなくコークもオアシスもハリーポッターも・・・・・
それだけではなく人々の記憶からもビートルズの曲が消えている!......こんな奇想天外な設定は映画ならではのもの。メディア関係者も注目の新作「イエスタデイ」いよいよ公開されました。
一夜にしてスーパースターの座に駆け上がり、エド・シーラン(本人役)をして敗北感を否めなくさせた売れないシンガーを当初から陰ながら応援し、マネージャー兼運転手として地道に支える女性がおりました。彼の成功と共に二人の距離は遠ざかるばかり、成功の挙句彼女はどうなるのか?実はここからがこの映画の神髄です。
この状況を観ていて個人的に思い出したのは太田裕美の木綿のハンカチーフ、でした。松本隆の作詞したストーリーでは故郷に残された彼女は最後に別離を決意して彼に涙をふくためのハンカチーフをねだる、というもの・・・・仕事と彼女をトレードオフの位置関係に据える、という場面はありがちな設定ではないのかもしれませんが、私には痛いほどよく分かる気持ちです。一体この映画のクライマックスではどのような結末を迎えるのか?
当初オファーは別のアーティストだったにも関わらず、その経緯も含めて出演を快諾したエド・シーランの心意気も素晴らしく、ファンには記念碑的な思い出に‼️英車マニアにはちょっと旧式なローバー75の綺麗な姿を拝めるのが何よりでしょうか。
本当にビートルズを知らずに育った世代も順次オトナになり、いつかビートルズの楽曲に触れて新鮮な驚きを味わう時が来るでしょう。あるいはそんな若者たちの感覚を映像化した映画、なのかもしれません。
かく言う私も解散後に、ビートルズの楽曲に触れたほうの世代、ジョンレノンとエルトンジョンの区別すらつかず、最初に聴いたアルバムがサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドのA面とアビーロードのB面だった、と言えばビートルマニアのひんしゅくを買ってしまいそうですが、以来初期のアルバムから順に聴きまくってお気に入りリストの上位を常に占める存在になっています。
劇場を後にして、たまたま持ち合わせていたポールのライブアルバムをランダム再生したら、最初に流れてきた曲が
「イエスタデイ」だったのは本当の話です。