2019年04月06日

ヴァイス

ディズニー映画「魅せられて」で、おマヌケで天然だけど飛び切りチャーミングなお姫様を演じたのがエイミーアダムス。クリントイーストウッドとは「人生の特等席」で共演し、近年では宇宙人とのコミュニケーションに成功する知的な言語学者を演じた「メッセージ」の主役をこなしています。
そんな彼女が今回は「VICE」で副大統領にまで上り詰めたD.チェイニ-の賢い妻を演じています。ヴァイス=VICEは副大統領の副にあたるほかにもう一つの意味があります。マイアミヴァイスの場合がそれで激ヤバ、とでも訳しましょうか・・・

とはいえ、実在のご存じチェイニー氏は学生時代、ロクでもない落ちこぼれ。そんな彼を叱咤激励し一人前にのオトコに仕立て上げたのが彼女の役どころ・・・画面に登場するのは60年代以降のホワイトハウスを舞台に政界に君臨した豪華スターの面々......ナレーションによる解説も多くて、昔の政治ネタになんか興味ない人にしてみれば1回目の偽タイトルロールが流れた途端に席を立ってしまう危険があります。

が、ドラマが始まるのはそこから先、ブッシュJrからの電話で映画の展開もチェイニー元下院議員の運命も大きく変わってゆきます。1カ月も選挙結果が判明しなかった2000年大統領選、就任した年には同時テロ、イラクへの反感を無理やり募らせ開戦に仕向けたイラク戦争・・・・・政策決定の裏側ではどのようなプロセスで意思決定が行われていたのか?
かたられる事実はもちろん実際の出来事に即しています。なだけでなく登場人物がまた、歴代大統領から補佐官、ライス国務長官、パウエル国務長官に至るまで片っ端から本物にあまりにもよく似ていて、ブッシュジュニアに至ってはとてもよくそのキャラクターを誇張しています。演出手法もまたユニークそのもの、どんなに奇抜かは実際にご覧いただくとして・・

おさらいにもう一度見に行きたい、この映画最大の難問は、どの娘と一緒に見に行くか?という問題です。アメリカの政治に興味なんかなさそうなら、まず論外。国際ニュースに多少でも興味がありそうなら脈があるかもしれませんが、そうでなければやはり一回目のタイトルロールで騙されて帰りそう・・・・・・・・80年代までにアメリカ生活を経験したことのある娘なら多少は興味を持ってくれるかもしれません。
もっとも、そんな彼女たちはもう還暦過ぎですが・・・・

年齢を重ね、キャリアも積んだエイミーアダムスのチャーミングさはまだまだ健在、その知性と貫禄があればいつかヒラリークリントンを演じる日も???

| 10:49 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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