2019年04月03日

マイ・ブックview

先月惜しまれつつも10年を超える歴史にピリオドを打った長寿番組、ブックバー。毎回、選りすぐりの一冊を決める作業に始まり番組制作の舞台裏の苦労を思うと、よくこれだけ長く続けられたものだと改めて感心します。

さて、そんな人気番組とは全く無関係にオススメ図書を幾つかご紹介します。

辺境メシ、ヤバそうだから食べてみた。《文藝春秋刊》
早大探検部出身の高野秀行さんが体当たりで胃袋に収めた珍食奇食の数々、グルメ本は大抵網羅したというセレブでも、まずお目にかかったことのないようなメニューがこれでもかと写真付きであなたの想像を刺激します。日本でも体験できるお店が紹介されていますが、行く勇気が湧いてからにしましょうね。
もしかしたらページをめくるのも勇気ある行動かも。

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悪童、小説寅次郎の告白《講談社刊》
意外にも山田洋次監督、初の小説作品。DVDのおまけに書き下ろした寅さんの自伝モノですが、戦中戦後を育った山田監督、いや寅さんの青春ストーリーでもあります。寅さんシリーズのエピソード・ゼロとしても、楽しく読める作品です。優しい寅さんの語り口が聞こえてきそうです。

| 22:50 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

2019年04月03日

特許公開

TOYOTAが発表したハイブリッドシステムの周辺特許無償公開、ニュースでも大きく取り上げられました。これ、想像以上に大ニュースです。
簡単に言えば、敵に塩を送るの例え通り、ハイブリッド車開発で特許の壁に苦しんだライバル他社と連合を組もうという方針転換です。

ハイブリッドシステムの現状を見てみると事実上トヨタの独り勝ちでした。近年になってようやくプリウスやアクアを売上で凌ぐライバルが出現しましたが、メカニズム的にはトヨタ圧勝の時代が続いています。
というのも、エンジンとモーターのいいところ取りをするハイブリッドの仕組みのうち、トヨタだけが自動変速機に使う遊星ギアを使って上手く両者のバランスを採れる賢い仕組みを手にしたからです。
喩えはヘンですが、二股をかけながら両天秤にかけた二者の美味しいところだけちゃっかり頂く凄腕の彼女みたいなもの、でしょうか?トヨタが抑えた特許のおげでライバル他社はこの20年来相当の苦労を強いられ、全く別の仕組みをゼロから構築しなければなりませんでした。

二十年も前からトヨタがコツコツと積み上げてきた最先端技術。でしたが結局追随できる有力な対抗馬のないままに2020年代を迎えようとしています。
自動車産業というビジネスは常に4~5年先を見据えた経営判断が求められます。2023~2025年頃にデビューの新型車について、基本方針や生産工場、採算についての判断を今、決断しなければなりません。カーデザインの見地からするとさらに数年後の中古車市場までも視野に入れたデザイン作りが求められるもの。
当然、エンジンを搭載しないフル電動化の流れは無視できません。

日産やテスラ、ドイツ勢の後塵を拝しているのが今のトヨタ。ホンダさえも今年中には量産型のEVデビューが控えているというのに、です。
トヨタとしてはこうした流れに待ったをかけるまでに追い詰められた末の苦渋の決断、というのが私の想像です。

ガソリン車のシェアが減り始めると、歩調を合わせるようにガソリンスタンドの廃業が加速します。そうなると一気にEV化が進んでしまう可能性もあり、数量の確保はメーカーを問わず必須です。今のうちにガソリン・エンジン連合でがっちりスクラムを組み、分母を増やしてEV勢の台頭に立ち向かわないと、やがてエンジン搭載車は取り残されてしまう・・・・・そんな恐れも五年後には真実味を帯びているかもしれません。
比較的安価に、効率が良く販売成績も優秀な日産のe-パワーも脅威として考えているのかもしれません。

トヨタとしてはハイブリッドで優劣を競うよりも、いち早くエンジンなしの電動化に道筋をつけることが急務なのです。そのためにはまず時間稼ぎが必要?なのでしょうか

| 21:06 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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