2019年03月13日

書店を開く夢

1959年、北アイルランド海辺の小さな町、潮風が通り過ぎるだけの小さな街角に本屋を開くのが若き未亡人の夢だった。資金の問題も働き手もクリアしてなんとか開店に漕ぎ着けるものの、保守的な社会の空気は決して書店の繁盛を好ましく思っていなかった......

公開中の映画マイブックショップは、ある1人の女性の奮闘記。であるだけでなく、戦争後の様々な断面を垣間見せてくれます。他方で、現在街角の本屋さんを取り巻いている環境にも重ね合わせてみたくなります。成功を妬む意地悪な女史こそいなくても、熱帯雨林の名を翳したネット・セールスは少なからずこの業態の逆風となっています。若者の活字離れも深刻な要素、元はと言えば端末に奪われた時間シェアがその大きな要因でしょうか。

主演のエミリーモーティマーは理知的で年を重ねていてもチャーミングさを失わない、いわゆる美魔女の系統。だけど派手さはなく日本にお嫁に来ても歓迎されそうなタイプ。こんな女性なら自然と味方に就きたくなるのも頷けます。この撮影の後、メリーポピンズでは20年後のジェーンを演じているんですが、髪型が違うので全く気が付きませんでした.........

彼女の本屋の行く末は映画でご覧いただくとして、近所の書店がこれからどんな道を歩んでいくことになるのか?映画の結末はさておいて真剣に案じてしまう帰途だったのでした。

YEBISU GARDEN CINEMAほかで上映中

| 20:48 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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