2019年02月03日

ディアハンター

今やどこの映画館でもデジタル上映が当たり前、15分ほどで終わってしまうフィルムロールを映写機ごとチェンジする仕事もなくなりました。
アナログ時代に作られた名作を4Kデジタル画像にスキャンした上で退色補正やゴミの除去を加えると、つい数ヶ月前に撮影したニュ-プリントのように鮮やかなシーンが蘇ります。

まだ、駆け出し女優だった頃のメリル・ストリープ、肌がツヤツヤしていて皺一つ見当たらず、だけど顔立ちは紛れもなくメリル・ストリープ以外の何者でもない・・・・そんな事が可能になったのも21世紀の今なればこそ。
彼女が登場する映画はベトナム戦争後に作られアカデミー各賞に輝いた不朽の名作「ディアハンター」40年も前の作品なのに、封切り公開当時の画質を楽しめます。

(ペンシルベニア州) クレアトンは鉄鋼業に従事する労働者の街。1960年代末、ベトナム出兵を目前に控えた結婚式の乱痴気騒ぎから、いきなりベトナムの戦地に場面が転換します。
捕虜となったアメリカ兵たちは殺人ゲーム(ロシアンルーレット)に興じる敵陣に反撃し、命からがら生還を果たします。が、戦友たちは負傷したり心身を病んでいたり・・・・・・

戦争終結後の70年代後半にはベトナム戦争を描いた作品がいくつも公開され話題となりました。76年に政権が民主党に移ったことも無関係ではないかもしれません。
アコースティックギターのソロで始まるテーマ曲、挿入曲の「君の瞳に恋してる」も映画に色を添え、戦争に病んだ若者たちを描いています。

これからはレンタルやストリーミングに頼らなくとも大きな劇場のスクリーンで名作に逢える機会が増えるかもしれません・・・・

2/7まで恵比寿ガーデンシネマほかで限定公開中

| 08:59 | コメント(2) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

ラストシーンのストップモーション、そこに流れる「カヴァティーナ」。失ったものの大きさ、何とも言えない喪失感がここに表れる。鮮烈な映画だが、その中での唯一の救いのシーンかもしれない…。
良い映画でした。

投稿者 J.T : 2019年3月 6日 07:55

評判の映画。大きなスクリーンでようやく観ることができました。凄い作品ですね、戦争の狂気をこういった形で表現できるのも映画の素晴らしいところ。デジタル処理された新鮮な映像も感動的でした

投稿者 吉田雅彦 : 2019年3月 7日 11:46

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