2018年03月11日

JR山田線

あの震災後不通になったままの線路がまだまだあります。常磐線は未だに仙台直通が叶わず、震災前には特急運転のいわき・南北分断のプランが提示されていたところでした。もう、上野発仙台行きの特急列車を将来も見ることはなさそうです・・・

三陸海岸を南北に貫く三陸鉄道こそ復旧したものの、中間に位置するJR山田線宮古〜釜石間はようやく復旧工事に着手して、三陸鉄道の一部として復旧する手筈となっています。山田線の由来、山田町はこの区間にあるので盛岡、宮古間の路線名が山田線のまま残るのか?興味深いところです。
山田線の大半は県庁所在地の盛岡と沿岸の宮古を結ぶ100km近い横断鉄道ですが、最近のダイヤを見ると昼間に全線をカバーする列車は数えるほど。乗り遅れたりでもしたら空いた時間で羽田〜新千歳を往復出来るくらいの待ちぼうけです。

ではクルマに乗らない人の移動手段は?というと、これが並行して走る国道106号線を頻繁に走る急行バスがあまりに便利。ノンストップで信号のほとんど無い整備された国道を首都高並みの平均時速で三陸海岸を目指すばかりか料金でもJRを圧倒するため山田線としては勝負になりません。途中から枝分かれする岩泉線は土砂崩れ事故をきっかけに全線運休が続き、とうとうそのまま廃止が決定。復旧費用がかかり、とても採算が取れないという理由でした。そこに襲いかかった2016夏の集中豪雨。岩泉だけでも沢山の犠牲者を出し道路もあちこちで一時寸断され孤立する地区が出来ました。

並行する道路の整備を理由に店仕舞いするローカル線は後を絶ちませんが、その並行道路が寸断されたらどうするつもりでしょう?

確かに乗客数は減少の一途を辿り、増収の見込みは無いに等しい上、減りゆく学生さん達も18になれば間違いなく免許を取り、程なくして自分のクルマを手に入れるでしょう。
経営の見込みが立たない鉄道を営利企業に存続させろというのは酷な話かもしれません。ここはひとつ、民営化を白紙撤回してもう一度国有鉄道に戻す術は無いものでしょうか?11046387_806467299407644_7996978084(すでに引退した急行形気動車、被災前の宮古駅にて)

| 23:50 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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