2018年03月12日

マディソン郡の橋

アメリカ、アイオワ州のドが付くくらいの田舎にあるマディソン郡にある珍しい橋を訪ねてきた通りすがりの専門誌ナショナル・ジオグラフィック誌のカメラマン。立ち寄った先は取材でおと訪れたばかりのイタリア、ナポリから嫁いで来たと言う人妻。家族達はたまたま出掛けており四日間留守。

ご存知、全米が泣いた「マジソン郡の橋」はベストセラーとなってクリントイーストウッドが映画化しブロードウェイではミュージカルにもなった作品です。それがこの程日本初上陸。主演は涼風真世に山口祐一郎と、ミュージカル界の鉄板コンビです。

舞台を彩る音楽はボサノバ風でもあり、カントリーミュージック風でもある穏やかで軽やかなメロディのものが多く、ステージの半分近くをオーケストラに割いた贅沢なレイアウトが音楽重視の姿勢を伺わせます。
エリザベート、マリーアントワネットやベルバラのオスカルといった凛々しく気高く力強いキャラを演じることの多い涼風が、イタリア育ちの快活でチャーミングな女性を時にはコミカルに、時にはドラマチックに演じています。むしろ素の彼女のキャラに近い設定かもしれません。山口祐一郎もミュージカル界に不可欠の存在、相手に不足はありません。偶然の通りすがりの筈がお茶に立ち寄り夕食を共にして撮影に付き合い、シャワーを浴びに立ち寄ったついでに.........

時代設定は1960年代半ば、アメリカ中のティーンがビートルズに熱狂しフォードムスタングがそれまでアメリカ車になかったファッション性、軽快さをウリに大ヒットした頃。だだっ広い地平線しか見えないアイオワから、橋を渡って異文化に目を向けたくなるのも自然な流れ.........アメリカ人好みの結末が待っているかどうか、スリリングな展開とビミョ〜な心理の揺れ動きを巧みに表現する大御所達の熟練の味がにじみ出る舞台です。


日比谷シアタークリエで上演中

| 23:06 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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