2016年11月06日

北の計画から

JR北海道がこのほど打ち出した再建計画、結局は赤字線区の見直し計画・・・・・
中でも札沼線(北海道医療大学―新十津川間)、留萌線など3線区179・4キロ・メートルは廃止を前提に沿線自治体と協議するということで、早い話が今月内にも廃止見通しが発表されることとなってしまいました。北海道の路線図からまた、かつての幹線ルートが消えてしまいます。
留萌線は昔、留萌本線と呼ばれ羽幌線方面や増毛へ向かう幹線ルートでした。途中駅にはNHKのドラマ、すずらんのロケが行われた架空の「明日萌驛」(あしもいえき)が設置された恵比島駅(えびしま)が脚光を浴び,SLすずらん号も運転される人気路線となったものです。
そしてもう一か所、根室線の富良野―新得も廃止の対象です。こればかりはほかの盲腸線とは訳が違います。根室線と言えば釧路帯広に向かうかつての幹線ルート。札幌から数多くの特急列車が富良野を経由してゆきました。が、トマムリゾート前を経由する石勝線が開通したことにより特急の大半はそちらを経由、富良野から帯広方面へ向かう優等列車は激減しました。
更に輪をかけて今年夏の豪雨被害で新得に向かう石勝線も橋梁流失、土砂流入などが続発して年内に特急列車が運転再開できるかどうかといった状況です。つまり鉄道で根室線沿線の移動は現状できていないということで、採算の問題を含めてさらに問題を困難にしてしまいました。石勝線ルートは特急列車にとっても基幹ルート、それに比べて富良野・新得間は迂回ルートの位置づけです。加えて美瑛や十勝岳などの観光地を沿線に抱える富良野線、赤平・芦別などかつての炭鉱を抱える根室線滝川・富良野間はいいとして、富良野以南の峠越え区間には映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった架空の幌舞駅=幾寅駅があるくらいで、これといった集客力も望めないのが実情です。
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根室線で活躍するキハ40系700番台(ワンマン運行)
ブームになったり赤字で苦戦したりを繰り返す北海道の鉄路、このままでは夜行寝台特急と同じ道を歩むことにはならないかとハラハラしながら推移を見守っています。

| 23:01 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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