2015年05月01日

王様とワタナベとバードマン

 国際派俳優の渡辺謙さんがブロードウェイで公演中のミュージカル「王様と私」。NYの数ある演劇評論でも演技力だけは一目置かれる存在だったと先週土曜日の報道でも話題になったばかりでした。夜のヘッドラインニュースにもオンエア項目として候補には入れていたんですが・・・・このほど歴史ある演劇賞※の主演男優部門でノミネートされた,と云う嬉しいニュースが飛び込んで来ました。

 ことしのアカデミー受賞作品として,前評判の高かった映画「バードマン〜あるいは無知がもたらす〜以下略」も演劇の本場;ブロードウェイの劇場とバックヤードを舞台にした作品です。かつてのヒーローもの映画スターが今ではブロードウェイで小難しいセリフ劇に挑戦し、初日を迎えるまでのハプニングや苦悩の連続,それは言葉のハンディを抱えながらも,アウェイのNYという舞台でミュージカルに挑むワタナベさんの姿にも重ねあわせることが出来ます。

※tony=award 全米演劇界の垂涎,この賞を穫る為にどれほどの演劇人が人生を捧げたことか

※王様と私、ご存知 Shall we danceがテーマ曲のミュージカルはユル・ブリンナーの映画でもおなじみ,NY再演は19年ぶりの期待作

 ブロードウェイに興味のある人にはお馴染みの光景も沢山登場し、舞台は生き物だというのをまざまざと見せつけられるのがバードマンの特色でもあります。セリフが一字一句決まっていて毎回、全く同じ舞台が繰り返されると思ったらさにあらず。自分の出番の直前になぜ,バードマンがタイムズスクエアを疾走しなければならなかったのか、それもヒーローからは予測もできない格好で!演劇マニアとそうでない人では評価の別れる映画かも知れませんが,ブロードウェイに関心がある身としては当然、前者。最後のオチを除いては上映時間の長さも気になりません。
DSCN3896.jpg

 
 そんなブロードウェイでこの秋、舞台「シカゴ」に立とうとしているのが舞台女優として10年のキャリアを持つシャーロットケイトフォックスさん、マッサンで一躍日本でお馴染みの存在になったカノジョです。アメリカ演劇界でもブロードウェイの舞台に立てるのはごく一握り,それも難関のオーディションを勝ち抜いた精鋭ばかりです。シャーロットにとっては母国で英語を使う・・・ホームの様なものですが,映画にも登場する厳しい評論家陣がどのような評価を下すのか?全ては彼女の新たなチャレンジに架かっています。日本で凱旋公演が行われる頃には,どんな評価がついて回っているか?今から楽しみでもあり・・・・

| 02:14 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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