2014年11月07日

昭和の名車・Morris Mini Minor & Austin Seven,

 j−waveの中にもファン,ユーザーが多いのがBMWの小型車=ミニ。現在のモデルはドイツ資本のもとで開発された3世代目となりますが,元々はイギリスのメーカーが開発した1950年代生まれのクルマでした。IMGP0076.jpg

 そもそもこのクルマがデビューするきっかけとなったのは当時の石油危機。スエズ動乱(1956年第二次中東戦争=中東からの原油ルート、スエズ運河の政治的な封鎖により,西欧への原油輸送が滞る不安があった)以降、イギリスでも節約の機運が高まり,ガソリンを喰わない大衆車、安価なエコカーが売れるだろう・・,今とちっとも変わらない状況の元で企画,開発されたクルマだったのです。
 今の軽自動車に較べても若干小さいくらいのサイズなのに大人四人がピッタリ納まってしまう外見からは想像もつかない不思議な室内の広さ。・・当然発売と同時に大ヒット・・・とは簡単に行きませんでした。

 時代は戦後の成長期,大きな豊かなクルマが幅を利かせる風潮にあって,けちくさい貧乏車に大衆が惹かれる訳はありませんでした。しかし、ロールスロイスやベントレーと言った超高級車のオーナー達が,ちょい乗り用のセカンドカーに面白い!と飛びついたことがきっかけとなって、ミニしか買えない庶民層にも流行が浸透するようになってゆきます。経済的だからではなく、オシャレのアイコンとして・・・10年ほど遅れてファッション界にもミニの旋風が吹き荒れます。マリークワントが提唱したミニスカート!瞬く間に世界中の女性のワードローブを席巻し、その数はクルマのミニを遥かに凌駕してゆきます。
 いっぽうご本家のミニはと云うと,そろそろ時代遅れのデザイン。しかし経営難の英国企業にはもはや開発できる資金は少なく、後継車もなかなか生まれないまま80〜90年代までそのまんまの姿で生き延びます。この頃になると最大の顧客は、何とはるか遠いニッポンのお客さんたち。毎月1000台以上のミニたちが海を渡ってゆきました。

 70年代英国自動車産業を襲ったリストラの嵐はやがて外国資本の受け入れ,ブランドの売却という形で気がついたら純粋な英国資本の自動車会社はほとんど残っていない・・・と云う残念な状況に陥ってしまいます。あのロールスロイスもこのミニもかつては英国本土爆撃のドイツ空軍機に搭載されたエンジンを作っていた戦前のメーカーがお買い上げ・・・豊富な開発資金を元に21世紀の新型車として名前以外のすべてを刷新して新型車を生み出したのです。

| 14:11 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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