2014年09月29日

6 vs 8

 フジテレビ・東宝制作の「舞妓はレディ」TBS・角川映画制作のルパン三世。この秋注目の新作映画、はたしてどちらを見るべきか?軍配はどちらか?

 マイフェアレディのもじりとすぐには判らないかもしれない周防監督の「Shall we ダンス?」以来久々の娯楽大作。勿論キャストには渡辺えり、竹中直人、田口浩正、徳井章と云った周防組に加えてハッピーフライトの田畑智子、小日向文世、&フラガールの岸部一徳、富司純子などなど人気映画のキャスティングを総動員。歌える長谷川博己、高島政宏がこれに加わるがしかし何と言っても主役の萠音ちゃんがルックス・歌声共に可愛らしい!♡お説教を受けて言葉も無く座っているとやおら歌いだすことで、ミュージカル映画だったと気付く次第。作詞は全て周防監督、曲は従兄弟の周防義和の共作である。富司純子、草刈民代に歌わせるだけではない。鹿児島弁から津軽弁、勿論京ことばまで、役者には相当重い負担を強いるシナリオ!

 キャスティングの妙と云えばルパン三世の小栗旬は秀逸。アニメの実写化で難関となるイメージの不一致を全く感じさせない見事さ、銭形警部の浅野忠信も余裕で役づくりをこなしている。イチバンの難関は峰不二子だったかもしれない。藤原紀香以外に適任はいないと思われたふ〜じこちゃんが、黒木メイサによって見事にイメージを払拭されたばかりか、きっと本人の十八番になり得る見事な演技を見せている。もう彼女以外にハマり役はいないとも思える出来映え、次元演ずる玉山鉄二もいい味出してます。
 冒頭から(シンガポール・香港の設定なのに)お台場のロケでお茶を濁し、ラストは芝浦でエンディングとはちょっと寂しい気もするが、カーチェイスや要塞等のロケはタイ国内で行われており、物語のスケール共々大作っぽく出来上がっている。アクションシーンで1カットが1秒に満たない上に、編集も煩雑で目が疲れるのが難点か。プロヂュースは頑張れタブチくん、ザ・オーディションの山本又一朗。しかし、キャスティングの組み合せは素晴しく是非ともまた、小栗ルパンと、黒木ふ〜じこちゃんの活躍の続きを見たいものだ。

 作品の節々に昭和ネタを仕込んだ周防監督作品、赤木裕一郎の芸名や実在した日本国内航空の名前にピンと来るのは60代以上でなければ難しいかもしれない。パパイヤ鈴木の振り付けも意表をついて面白いが、日舞を踊る草刈民代はこれからの人生、女優業に執念を燃やしているのかもしれない。

 
 参考までに興行成績はるろうに剣心がダントツ、今週4位の『ルパン三世』15億9,475万3,500 円を初登場5位『舞妓はレディ』が、動員9万1,772人、興収1億1,015万8,500円で猛追する展開。民放製作の秋の自信作、結局どちらも見逃せない秀作で、片方でも見逃したら後悔すること請け合い!!

| 19:55 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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