2009年11月27日

日の丸F-35誕生なるか

すでに報道されているように防衛省は、
航空自衛隊の次の主力戦闘機について
ロッキード・マーティン社が開発中のF-35
ライトニングⅡを採用する方向で調整に
入りました。

F-35は、JSF(Joint Strike Fighter)の
略称で呼ばれる戦闘機で、直訳すると統合
打撃戦闘機となります。

これはアメリカ軍が開発費を抑えるために、
これまで各軍が個別に行っていた新型機の
開発計画を一本化させたもので、空軍、海軍、
海兵隊の要求を満たす統合戦闘機となりました。

つまり、空軍は多用途戦闘機として、海軍は
艦上戦闘機として、また海兵隊は垂直離着陸機
としての機能を盛り込んだために、機体デザインは
あまりスマートとは言えない無骨なものになりました。

実戦配備は2012年を予定しており、すでに空軍型の
F-35A、海兵隊型のF-35Bは初飛行に成功しています。
このほか海軍型のF-35C型も開発中で、機体は同一でも
各タイプごとにエンジンや装備品、主翼面積や降着装置
などに若干の相違が見られます。

このF-35のもう一つの特徴は、国際共同開発の形を
採用していることです。
ハリアーの後継機問題を抱えるイギリスは早くから
開発計画に加わっていますが、このほかカナダ、イタリア、
ドイツ、オーストラリアなど10カ国近くがこの計画に
参加しています。

課題は、各国の要求を性能を落とさずにいかにバランス
よく盛り込むかですが、これがなかなか難問のようです。

さて、日の丸F-35については、今後の採用計画が
どうなるか注目されるところですが、防衛省としては
来月から本格的な絞り込みに入り、2011年度予算の
概算要求にF-35の契約金など関連する経費を
盛り込みたい考えです。

最終的には40機程度の買い付けを想定しているとの
ことです。

ただ問題は、高度なステルス機能と国際共同開発が
進められていることからこれまで日本が行ってきた
ライセンス生産が望めないことです。

日本の航空産業を育成するためには、ライセンス生産は
欠かせない方式ですが、F-35に関しては全機アメリカ
から購入する公算が高いと見られます。

ところで、F-35というと海上自衛隊の最新鋭ヘリコプター
護衛艦「ひゅうが」との関連が取沙汰されています。
垂直離着陸型のF-35Bを採用すれば、「ひゅうが」に
搭載できるのではないかというわけです。

無論、「ひゅうが」にはイギリスの空母インヴィンシブルの
ようなスキージャンプ勾配の飛行甲板は装備されておらず、
その想定も計画もありませんが、近隣諸国が神経を
尖らせるであろうことは容易に想像がつきます。

現在開発中のF-35が期待通りの性能を発揮することが
できるかどうか、ジェネラル・ダイナミックスF-111の
前例があるだけにその動向が注目されます。

ちなみに、ライトニングとはロッキード社が戦時中に開発した
ロッキードP-38ライトニングの名前にちなんだもので、
先代は「双胴の悪魔」と呼ばれ恐れられました。

山本五十六元帥の搭乗した(搭乗時は連合艦隊司令長官)
一式陸攻を撃墜した機体でもあります。

今は昔の出来事ではありますが・・・・・・・・

| 19:00 | コメント(1) | カテゴリー:田中穂蓄

コメント

田中さん、お疲れさまです。
「ライトニング」が、山本五十六元帥搭乗・一色陸攻撃墜した機体だったとは・・・
ライセンス生産を使わずに、かつ、アメリカから購入した場合、いかに費用をかけずに購入、もしくはそれに代わる案を創出しないといけませんね・・・

投稿者 ちなみん : 2009年11月28日 17:40

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2020年 7月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

バックナンバー

カテゴリー