2007年07月22日

続・ヘリコプターはどこだ!

新潟県中越沖地震から1週間となりました。
余震は徐々に弱まっているようですが、
まだまだ油断はできません。
被災者には、生活への不安とともに、余震への
不安の二重不安がつきまといます。
そうした心のケアもこれから大切になってきます。

今回の地震では、10人の方の命が失われました。
いずれも70歳以上の高齢者ばかりです。
中には病院をたらい回しにされた挙句、亡くなった
方もいらっしゃるようです。

勿論、懸命なる救命救急活動が行なわれた中での
出来事でした。

こうしたニュースに接する時、いつも思うのは、
もっとヘリコプターの活用が出来ないものかと
いうことです。

日本には、現在、自衛隊機を除いて民間機だけで
900機近くのヘリコプターが存在します。
これは世界でも5番目ぐらいの保有率です。

その多くは、農薬散布や送電線の点検、山岳資材の
運搬、警察、報道取材など、いわゆる産業用ヘリコプターの
機材ですが、中には人員を輸送できる大型のヘリコプターも
多数存在します。

しかし、医療設備を備えたドクターヘリは、10機に満たない
状況です。
現在、各地でドクターヘリへの取り組みが行なわれ、
多大な成果を挙げていますが、運用経費やヘリコプターに
対する認識の低さなどが、その導入・運用を妨げています。

おおよそ、日本ほどヘリコプターの運用を必要とする国土を持つ
国はないにも関わらず、やれ安全ではないの、運用経費が
高いの、騒音がうるさいのと、訳のわからぬ(私には)ごたくを
ならべて、導入を阻む国や自治体(と私には思えます)。

安全の面から言えば、ヘリコプターは乗り物の中で最も安全な
部類に属します。
運用面でいえば、救急車を使って患者を搬送するよりも、
ヘリを使ったほうが結果的に安く運用出来るとの調査結果も
あります。
騒音が問題というなら、緊急時に騒音問題と人の命とどちらが
大切かといえば、答えは明らかです。

災害用へりの導入は理想ですが、すでにある輸送用ヘリの
運用でも十分対応は可能です。
いざという時、考えるのではなく、いつ起きても対応できる
体制を整えるのが地震国日本の行政の義務だと
思うのですが・・・。

| 11:02 | コメント(3) | カテゴリー:田中穂蓄

コメント

田中さん、お疲れさまです。
新潟中越沖地震、どんどん被害が拡大していますよね…
特に、今回亡くなられた方々が、70歳以上の方が多いとの事で、前回もお話させて頂きましたが、自分は、どうしても両親とダブって考えてしまいます…
前回お話した時は、そのきざしすらなかったのですが、他の皆さんにもお話させて頂きましたが、4日前、去年手術して相当てこずった右目が、緑内障の発作を起こし緊急手術、今病室です…
潜在的には、いつ再発してもおかしくはないという不安感は持ち続けていましたが、今回は、一刻を争い、入院準備より、手術が最優先でした(荷物は、手術翌日に自宅へ取りに戻り、一日でも遅くなり、悪化が進めば、右目は光を失うとの事でした…)
ヘリコプターは、自分が考えていた以上に、安心で、機能性に優れた乗り物なんですね。
自分自身も再び闘病の身となり、今回の新潟中越沖地震の続報を聞くにつれ、せっかくこのような機能性の高い乗り物を活用出来ないものだろうかと、切に願います(今回再闘病に挑み始めたばかりですが、先の見えない不安感、焦燥感、精神的なフォローの重要さは、去年約3か月の入院生活で相当味わいました)

投稿者 ちなみん : 2007年7月22日 16:58

かなり昔、取材の足として九州でヘリの運航を依頼しようとしたのですが、出発前整備に時間がかかるという理由で代わりに漁船をチャーターし、玄界灘の荒波にもまれてフラフラで帰って来た事がありました。
回転翼など、精密部品を使う以上、デリケートな整備、点検が必要なところもほかの輸送機とは大きく違う点ですね。国内では取材中のヘリ事故も少なくありません.運航ルール次第のような気もしますが。
大島の噴火口の真上を飛んでから間もなく20年.山頂の風下側に回ると、気流の乱れで恐ろしく揺れたのを覚えています。最近、また大島の地震が増えて来たので、心配ではありますが.(火山活動とは関連無い様です)
Dr.ヘリはじめ、運用面でも柔軟に対応出来る法律の整備を望みたいですよね。

投稿者 吉田雅彦 : 2007年7月23日 00:25

ちなみんさん、ありがとうございます。
緑内障の手術心配ですが、お大事になさって下さい。
災害の初期段階は1人でも多くの命を救うための
救命救急活動です。
第2段階は助かった人たちの生活環境確保の活動、
そして第3段階は、被災した人たちに生きる活力を
与えるマインドケアの活動です。
ボランティアの活躍に期待がかかります。
吉田さん、貴重な体験談、ありがとうございます。
もちろん、ヘリコプターは離陸前の10分間の
暖気運転と、回転翼の点検整備に手間がかかりますが、
そうした手間を考慮に入れても、機動力の高さに
勝るものはないと思います。

投稿者 ホヅミ : 2007年7月23日 11:39

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